14,クロノの訓練
朝、
「少し、この後時間はあるか?」
きょとんとする
そう思い、続きを話そうとした瞬間。アキトがそれを片手で
「まあ待て、今は食事中だ。朝食を食べた後で話を
「うん、まずは何より腹ごしらえからだね」
……どうやら先に食事を
ちなみに、俺の
まあ、それはともかくだ。
それ等朝食を二人は一気にほおばり
……その後、食事を
「アキト君、これってもしかして噂に聞く
「おおっ、だとしたら
姉弟揃って俺に向かいシャドウボクシングのポーズをする。うん、まあこの二人が悪戯好きだと知っているけどさ。
もう少しこう……なぁ?
「
「「???」」
そう、二人揃って同時に首を
いやまあ、分かってはいるけどさ。二人はこういう人物だし、そもそもまだ話の概要すら話していないという事くらい。分かっているけど、なあ?
「ああ、うん。なんていうか、二人には俺の
「うん?訓練を?」
問い返すアキトに、俺は頷く。
「まあ、二人だから言うけどさ。実は俺、訳あってまだ戦闘経験自体そんなに無いんだよな。初めて戦ったのがユキを襲った
「え、そうなの?」
俺の言葉に、
だからこそ俺は今、腹を
「ああ、そもそも今持っている
「…………そうなのか。うん、分かった。じゃあ、俺達二人でクロノの訓練を手伝えば良いんだな?」
「私も
そう言って、俺達は集落の
・・・ ・・・ ・・・
集落の外れ。
「じゃあ、まずは何処からでも
その言葉に、俺はまずアキトに向かい手ごろな木の枝で作った細めの木刀を振る。
木刀とはいえ、それはもうただの木の枝と言って過言ではない
しかし、俺は何か強力な力によりまるで
「ぐっ……まだまだ!」
「ああ、まだまだ
気付けば、俺の周囲には石の
だとすれば、この礫が浮遊している現象の正体は———
なるほど?
「テレポーテーションに、サイコキネシスの
「その通り、よく分かったな?」
「これだけ見ればな……」
「けど、
瞬間、縦横無尽に飛び交う礫の数々。俺は、それを何とかして躱し続ける。しかしもちろん相手はサイコキネシスだけではない。テレポーテーション能力も同時に相手しなければならない。
飛び交う礫は
事実、幾つかは俺の背中や腕、肩や後頭部などに直撃していた。けっこう
「ぐっ……まだだ。まだ、まだ……っ‼」
「「⁉」」
瞬間、俺の身体が炎に
この炎は、俺の意思の
ならば、と俺は心の炎を意識して木刀に
しかし、これは心の炎だ。俺の意思により制御が可能な代物だ。
なら、
「行くぞ!」
言って、飛び交う礫の数々を
しかし、
「はぁっ、忘れていないか?これは
呆れたような声。次の瞬間、俺の後頭部に大きなごつごつした何かが直撃して。
驚き、振り返る。
そのまま、俺の意識は
・・・ ・・・ ・・・
「はっ‼」
「目が
「目が覚めた?
目を覚ますと、俺の目の前にはエリカとアキトの
そう思い、俺は勢いよく起き上がった。
「お前等、俺が気を失っている間に何をした?」
「別に?まだ俺達は何もしていないぜ?」
「別に?まだ私達は何もしていないよ?」
「まだ?まだって一体何だ!」
俺の疑問に、二人の悪戯めいた笑みが更に
そう思った、次の瞬間にアキトの言葉で予感は確信へと
「べっつにー?ただ、訓練で負けた時の
「よし、訓練を
俺の言葉に、エリカとアキトの笑みが更に深くなったのは言うまでもない。
…………結果。
結局俺は二人を相手にしてぼろ負けした。エリカとアキトの縦横無尽なコンビネーションには流石に俺も
いや、でも言い訳くらいはさせて欲しい。これでも俺は、最初の頃よりは二人の攻撃パターンを読めるようになってきたのだ。なので、これは大きな
うん、
「……何、やってんの?」
そんな俺達に
見れば、俺達の訓練を
うん、
そう思うが、まあこれくらいなら黙って受け入れよう。
「何って、訓練と罰ゲーム?」
「訓練でどうして罰ゲームを?」
「いや、
そう開き直る俺に対し、ユキは呆れ返ったように
「……ほどほどにね?」
そう言って、ユキはそのまま
言わないでも理解出来ている。これは、
・・・ ・・・ ・・・
そして、しばらく訓練を続けた結果。俺は普通に礫を
「よく
「よく頑張ったね、素直に
そんな俺に、二人は手放しで
そっと、その場に
そうしていると、ふとエリカがぽつりと話し出した。
「ねえ、クロノ君。実は、
「……そうなのか?」
「うん、最初の頃は
「ああ、そうだな。最初は俺も、姉さんの事をぞんざいに扱っていたしな」
「そうそう、それで私もむきになってね」
今じゃ想像もつかないような話だった。一体どのような
そう思い、話を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます