8,よそよそしい二人
次の日の朝、俺は目を
しかし、何時かは
そして、近くの川に着く。其処には既に
意図的に
「っ、クロノ君⁉」
「っ、あ、えっと……」
「……えっと、あの。ぁうっ」
互いに何も言えなくなる。そんな俺達を、エリカは
「二人とも、どうしたの?」
「え⁉いや、何でもないよ‼うん、
「あ、ああ!別に何でもない。うん、何でもないな」
慌てて
そして、それはやがて
「……ごめん、俺はもう少し
そう言って、そそくさと
そして、結局俺はその少し後になってようやく川に
結果、俺の頭は冷えた。うん、今度会ったらユキに
流石に昨夜は俺が悪かった。あれだけ
しかし、そう
結果として、俺はユキに
「え、えっと?」
「っ⁉ごめん、私これから
そう言い、そそくさと逃げるように去っていくユキ。俺はしばらくその場に立ち尽くす。これは少し、どうした物か?
アキトは俺を
「……単刀直入に
「えっと……?」
いきなりの事で、俺は思わず首を
さて、どう答えた物か?そう思っていると、アキトは何処までも真剣な瞳で話を続けた。
「一応は
「……………………」
確かに、そうかもしれない。そう俺は心の内で
俺の
何故かは知らないけど、俺はユキにだけは
そう、思っているから。
「もし、お前が後で後悔したくないなら。今の状況に
「…………いや、確かにそうだな。ありがとう」
そう言って、俺はアキトに
「ごめん、行ってくる!」
そう言って、俺は急いで走った。
・・・ ・・・ ・・・
「なるほど?そういう事があったわけね」
昨夜あった事はある程度ぼかして答えた。もちろん、ぼかしたのは私の
僅かに
そんな事、
「……………………っ」
「……ユキ、貴女が何を思って何を
そう言って、エリカは私に微笑み掛けた。
「……エリカ」
「だからこそ言わせてもらうよ。クロノ君とは
「……そう———」
そうかな、と言おうとしたその時。私達に向かって走ってくる人物が居た。振り返ると、其処には激しく息を
クロノ君は真剣な表情で私を見ていた。息を切らせながらも、それでも私を見ていたのだ。
エリカは
・・・ ・・・ ・・・
地面に二人、座り込む。俺とユキは隣同士で座って
……やはり、
「ユキ、まずは昨日の事だけど。ごめん」
「……私こそ、ごめんなさい。クロノ君は私の事を考えてくれていたのに」
ユキと俺はほぼ同時に頭を
「ユキ、君はやっぱり
「それ、は……」
「分かっているよ。ユキは、本当はそれをして
「……………………」
一緒に背負いたいんだ。
そう言って、俺は俺の
俺の考えは、
けど、それでも……
「俺は、君を
「……………………」
ユキを救いたい。ユキの想いを
黙り込むユキ。しかし、俺の言葉はきっと彼女の何処かに
俺は、そんな彼女を真っ直ぐ見詰める。確かな意思を籠めて。
そして、そんな俺にユキは答えた。
「もし……」
「……………………」
「もし、私の罪が途方もなく
泣いている。ユキは、涙を流しながら問いを投げ掛けている。
彼女のそんな言葉に、俺はただ彼女を
俺は、俺の意思を
「もし、君がそれ程の重罪を
その言葉に、ユキはくしゃりと表情が
けど、彼女はぐっとそれでも何かを
そして、静かに首を左右に振った。そのまま俺からそっと離れ
「ありがとう。でも、やっぱり私の罪は私だけのものだから。クロノ君に背負わせる訳にはいかないよ……」
「そうか……」
そう、か……
やっぱり
「けど……」
そう言って、ユキは困ったような。それでもさっきより幾分か
「けど、それでもクロノ君は———私の
「ああ、もちろんだ」
俺の答えも、もちろん
・・・ ・・・ ・・・
その
「良かった、やっぱり私達の
「ああ、彼女自身は
アキトとエリカは互いに苦笑を
一体彼等は何を知っているのか?何を知って、何を
それは分からない。けど、どうやら彼等はクロノという少年に一種の期待をしているらしい。それだけは理解出来た。
「うん、けど彼ならきっと救ってくれる。ユキの事も。そして、この
「ああ、きっと。あいつならなってくれるさ。俺達の
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