実に素晴らしいぞ

そうだ。俺自身まんざらでもないんだよな。まんざらでもなくなってきちまったんだ。


それ自体を見透かされてる気がするな。


そこにさらにシエナが、


「おうおう、これはまた随分と可愛らしいじゃないか。実に素晴らしいぞ」


実に憎たらしいニヤニヤとした笑みを浮かべながら言ってくる。


「それはありがとうよ」


改めて正直ヤケクソ気味に返事をする。


さっきの様子も分かるが、シエナを相手にムキになったところで、何一つ意味がないんだ。いくらすごんだところで、人間の力なんか彼女の前では何の役にも立たないしな。俺の力もあくまで対魔王に特化したものだったし。


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