残念だったなあ

「とにかく俺を元に戻せ! 女神シェンヘスならできんだろ!?」


俺はそう詰め寄ったが、自分でそう口にして気が付いた。


『そうだ。こいつはもう女神シェンヘスじゃない。女神の搾りカスのシエナだ』


で、俺が気付いた通り、


「カカカ! 残念だったなあ、今の我にはそんな力はない!」


シエナは堂々と胸を張って、驚くほどのドヤ顔で、そう言ってのけやがった。


「ぐ……!」


ああ、何も言い返せねえよ。ぐうの音も出ねえ。そりゃそうだろ。


ぶん殴ってやりたいが、殴ったぐらいで収まるような腹の虫じゃないのも分かるし、今のこいつを殴ったところで何も解決しない。


「うちのシエナ様が申し訳ございません……」


リャハスが改まって頭を下げてくれるがどうにもならず、こうして俺の女の子生活が始まることになったのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る