山 鳥
五、六人寄って、
その日は寒い日であった。すぐ、みんなで山鳥の
青年は一週間ほど
ある時妙なものを持って来てくれた。菊の花を
そのほか彼は時々来た。来るたびに自分の国の
すると春が過ぎて、夏になって、この青年の事もいつか忘れるようになったある日、──その日は日に遠い座敷の真中に、
相変わらず例の派出な袴を穿いて、蒼白い額に
自分は書見をやめて、青年の顔をじっと見た。彼は例のごとく両手を
長塚はあくる日また車でやって来た。来るやいなや懐から手紙を出したから、受け取って見ると
そのうち冬が来た。例のごとく
その日はまた木曜で、若い人の集まる晩であった。自分はまた五、六人とともに、大きな食卓を囲んで、山鳥の羹を食った。そうして、派出な小倉の袴を着けた蒼白い青年の成功を祈った。五、六人の帰ったあとで、自分はこの青年に礼状を書いた。そのなかに先年の金子の件御介意に及ばずという一句を添えた。
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