第42話 追撃
俺は二重陣の家に突入した。
「セイバー!」
もう余裕がない。
走りすぎた。
「手加減をする余裕はない!かかって来た奴は斬り殺す!」
「ユウヤさん!ここにも地下室があります!」
「行くぞ!」
俺は地下室に突入した。
走って地下に降りるとそこにはたくさんの女性が拘束され、犯されていた。
俺はヨウカの指差した方向に真っすぐ向かう。
「二重陣!」
ベッドの上にあかりがいた。
上に二重陣が乗ってあかりを酷い目に合わせている。
俺はセイバーで斬りかかった。
「おっと!危ない!」
ジンは魔道剣を取り出して俺の攻撃を防いだ。
この状況で防がれたのか!
俺はあかりを担いで地下室の階段を上がる。
みんなを助ける余裕はない。
「待て!逃がさない!」
「ヨウカ!あかりを連れて先に行ってくれ!ホーミング!ショット!」
追ってくる男たちに攻撃を食らわせた。
ヨウカに遅れて地下室を上がると、男たちが追って来た。
ジンだけは動きが速い。
あいつは厄介だ。
「ショットおおおおお!!!」
俺はカウンターのようにショットを連射した。
ジンが後ろに吹き飛ばされた。
防具無しの状態でショットの連撃を受けたジンは俺を睨む。
「くそ!許さん」
「ショット!!」
俺は更にショットを連射してから外に走った。
「「きゅう!」」
外に出るときゅう達が集結しており、水魔法で追っ手を攻撃した。
「逃げるぞ!」
「きゅうううう!」
きゅうの合図で他のエレメントカワウソも付いてくる。
俺は異界に入る前に大河さんに連絡した。
「あかりは救出しました。二重陣の地下室には今も大勢の女性が監禁されています!」
『分かった。俺も今向かっている。捜査員と武装した制圧班と自衛隊もA市に向かっているが、まだ時間がかかる』
「異界に逃げます。切ります」
ジンを倒しきれなかった。
Aランクも追ってくるかもしれない。
逃げ切れるか!?
ヨウカときゅう達と共に異界に逃げた。
◇
【二重陣視点】
くそ、折角いい所だった!
あそこで奇襲が来るとは!
危なく斬られるところだったぜ。
だが、あの男はそこまで強くない。
奇襲をしておいて俺を仕留め損ねている。
「おい!あかりはどこに行った?」
「見失いました。今聞き込み中です」
「急がせろ、Aランクはどこだ?」
「今呼び戻しています!」
「早くしろ!」
「市長の家はどうなった?」
「分かりません」
「すぐに確認しろ!」
奇襲した奴らは誰かに連絡したのか?
だとしたらまずい。
だが、誰にも連絡をしていないなら、異界で殺す。
どちらにしてもあの男を生かしておけば俺も、タヌキも終わる。
生かしておく選択肢は無い。
俺はタヌキに連絡した。
「……くそ、冒険者を連れて来ている最中は通話をオフにしている」
護衛の男は?
俺はタヌキの護衛に連絡した。
「ち、何で出ない!」
俺は動ける男をすべて集めた。
「Aランク、何をしていた!?」
「異界にいた」
「ち、市長と連絡を取れないか?」
「いや、繋がらない」
「あの市長、何をしている!」
手下が走って来た。
「市長の家も襲撃されている!護衛が気絶していた」
「この日に限って護衛を変え……そうか、ユキナを見張らせていたのか。レディーキラーを塗らせる仕事はタヌキの闇を知っている護衛にしか任せられない」
「ジン、異界に行かないのか?」
「Aランク、もう少し情報を手に入れたい」
「反対だ。異界を通って別の魔法陣を使い、別の市に脱出される可能性がある。そうなれば終わりだ。ジンがいながら取り逃がした相手だ。全力でかかるべきだ」
「ジンさん!カワウソを連れた集団が異界、迷宮のダンジョンに向かって行くのを見たそうです」
「……異界に向かう!総攻撃をかける。俺達で村を制圧する」
待ってろよ!あかりを奪ったあの男を、殺す。
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