番外編
day1.咲姫と忍者正愛
※
私は(俺は)ホラーが読みたいんだ! イチャラブなんていらないぜ! という方は、このお話を飛ばしてくれて構いません。
並行世界でお会いしましょう。
イチャラブばっちこいの方のみ下へ↓
⌘ ⌘ ⌘
「……おにいちゃん」
「何だー?
「体、いたい……」
「はははっ、咲は相変わら体が硬いなー。そんなんじゃ新体操選手になれないぞー?」
「べつに私、しんたいそう選手、めざしてない」
「そうかー、残念だなー。お
ある日の大人たちが宴会で不在の夕方。
「おにいちゃんはどうして、しんたいそう始めたの?」
「んー? ほら、俺って元々、体ががっしりしているだろ?」
「うん」
「だから、これに体の柔軟性も付いたら、俺は最強なんじゃないかと思ってな!」
「…………」
「何だー? そのジト目はー」
「おにいちゃんって、大人っぽくてかっこいいのに、私より子供っぽいとこあるよね」
「ん? んー? んー、ん!」
「咲、さっきのもう一回言って?」
「……私より子供っぽいとこあるよね?」
「その前」
「……大人っぽくてかっこいいのに?」
「もう一回」
「——もう言わない」
照れることを言わせられていると気づいた咲は、口を尖らせ
「悪かった! 調子に乗りましたー! だから咲さーん、こっちを向いてくださーい!」
「——……」
咲は口を尖らせたまま振り向いた。
「よいしょっと」
「咲さーん? どうしたら機嫌を直してくれますかー?」
「……アイス」
「アイスですね! 何味がご所望でしょうか?」
「……いちご」
「ストロベリーですね! かしこまりました!」
「この
そして、忍者のように左の膝と拳を地につけ跪いた。
「——おにいちゃん、かっこいい」
「だろ?」
ニヤリと笑い、
「ま、そんなわけで」
そして、立ち上がり膝と手、靴下の裏をパンパンと払った。
「単純な理由で始めた新体操だが、あの
「けっかおーらい?」
「良い結果になったんだから、それでいんじゃね? ってことだ」
「——わかんない言葉、たくさんある」
咲は落ち込んだように俯いた。
「では、咲姫? 今度はこの
「——うむ」
咲は顔を赤くしながら呟いた。
「ははっ、ありがたき幸せー! ではまず、コンビニ限定『ストロベリーオンザストロベリー、ストロベリーまみれカップ』を買いに参りましょうか」
「——うん」
咲は庭に置いてあったサンダルを履くと、
「では、行きますか」
そのまま手を繋ぎ、
「咲姫? ちなみに
「——うむ」
「ははーっ、ありがたき幸せー!」
⌘ ⌘ ⌘
あとがき。
こうして、四、五歳の時から
あと二回ぐらいで、ほのイチャ終わる予定ですので、よければもう少しお付き合いをー。
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