控え目に言って、最高だった
みなさんこんにちは、長谷川理玖です。晴れて、雪兎くんとの婚約が許されました。そのうち、両家顔合わせの機会があると思われますが…。言ったとおり、うちの母親がロサンゼルスにいるんですよね。だからまぁ、いつかそのうちと言う話になっています。
さて、婚約成立のお祝いに伊勢嶋家から温泉旅行をプレゼントされたんですよ。お義父さんである俊樹さんの、粋な計らいってやつですね。財産の一切合切は相続させてもらえなかったので、これくらいはして頂いても。
雪兎くんに会うのも、また少し日にちが空きました。とっくに月もまたいで、バレンタインを過ぎたあたりの休日ですよ。だから、まずは手作りと言うチョコレートを貰えました。学校では、なかなか手渡しが出来なかったんですって。友達に見られて、噂とかされても恥ずかしいしね!
母親の沙都子さんに教えてもらって、初めて手作りしたそうです。と言うか、今まで学校の調理実習くらいしか料理する機会がなかったんですって。その点については、オレもまったく同じ。だから本人も「見栄えが悪くって…」と恥じていたけど、見栄えなんてただの飾りですよ!偉い人には、それが分からんのです。オレは、雪兎くんに貰える物だったら何だって嬉しい!それに、腹に入れば結果としてはみな同じですしね。
え?それじゃ、肝心の味はどうだったかって?うん、まぁ…。すごく、雪兎くんの優しさが感じられる味でした。
チョコの話は、これくらいにしておきましょう。旅館に着いて荷物を置いて、早速二人でキスをしましたよ!年明けからこっち、トミ婆ちゃんの葬儀とか色々とバタバタしていたので…。ただキスするのも、何だかちょっと久々な気がするなぁ。本音を言うと、このまますぐにでもヤりたい所ですが…。まぁ、まだまだ夜はこれから。まずは、早速にでも大浴場の方で旅の汗を流しました。
え?ちなみに、今回はエロありの回なのかって?そうだね、エロ回だね!トミ婆ちゃんの件は仕方なかったとして、しばらくフリートークがどうのと茶番が続きましたからね…せっかく年齢制限をかけたんだから、ここは一発どエロいのを行っとかないと。
さて、風呂と言うか温泉に入った所まででしたね。サッパリした所で、備え付けの浴衣に袖を通しました。夏祭りの時も見たけど、浴衣の雪兎くん超可愛い♡沙都子さんから着付けについて習ってきたそうで、恥ずかしながらオレの方も着させてもらいました。自分でやると、どうしても仲居さんよろしく帯の位置が高くなるんですよね…。
旅館の料理に舌鼓を打って、定番の温泉卓球で身体を動かして…。まぁ、浴衣からはだけた雪兎くんの胸元と太ももしか見てませんでしたけど。素の運動能力が違いすぎるので、あんまりゲームとしては成立しませんでした。今度は、うまい事ハンデをつける方法を考えないと…。
ゲームと言えば、いわゆるレトロゲームコーナーがあったんですよ。雪兎くんが、超食いついてました。オレは、あまり詳しくはなかったんですけど…。これは、噂に聞く「日本一周旅○ゲーム」!メダルを左右にぱちぱちやって、ゴールに導くってやつですね。現存するんだ。実物、初めて見た…。
さて、汗をかいたからにはもう一度風呂に入らなくてはね!言い忘れてたけど、個室温泉もついてるタイプの旅館なんですよ。むしろ、こっちがメインかな?この中でヤるって事も、考えなくはなかったけど…流石にねぇ。それはまた、今度の機会にしよう。でも人の目がないので、湯船の中でキスしたりイチャイチャしたりは忘れませんでしたよ。
ひとしきりじゃれ合った後、湯面に映る月を掬いながら雪兎くんが言いました。
「何だか、信じられないね…。りっくんと出会ってから、まだ一年にも満たないなんて。いや。実際には、ずっと子供の頃にも会ってたみたいだけど。いずれにしても、君とこんな風になっているなんて想像もつかなかった」
「うん。あの頃は、利き腕骨折したりで大変だった。その他にも、大なり小なり嫌なことが山ほどあったしさ。選手生命ってか、人生終わりなんだとマジで思ってた。だけど、もしそうじゃなきゃこうして雪兎くんとも会えてなかったんだな。そう考えると、ちょっと怖い…。何があってもどんな事があっても、人生に終わりなんて無いんだなって」
「俺も、そう思う。山あり谷ありだけど、それも含めて大きな流れの中での予定調和かなって…。生まれてそんなに年月も経ってないから、あんまり偉そうに言えないんだけどね」
「二人で、これからも年月重ねて行ったらいいんじゃいいかなって…。そうそう。話変わるけど、今年の抱負とかあったじゃん。雪兎くんとの結婚は叶ったから、他のを言いたいんだけど…」
「なぁに?『抜かずの三発』とか以外なら、協力するけど」
「そ、そんなんじゃねーよ!まぁ、でも雪兎くんの協力が必要ってのは違いないかな。だけど、来年と言わずすぐにでも実現する事なんだ」
「何だろう。また、下らない事じゃなけりゃいいけど…。まぁいいや。未来の旦那様の夢には、協力をしませんとね。俺に出来る事なら、何でも言って」
「ん?今、何でもって言ったよな?そ、それじゃ言わせてもらうけど…。雪兎くんの、ツルツルは確定ー!いわゆる一つの、剃毛プレイな!よろしくお願いしまーす!」
「考える以上にもっと、最悪だったー!?ってか、すごい無理やりに流行りのネタを持ってきたな?なぜそうも、確定させたがるのか…。い、嫌だよそんなの。せっかく、生えてきたんだから…。いや、何でもない」
「頼むよ。雪兎くんの生まれたままの姿を、一度見てみたかったんだ…。きっと、すごく綺麗なんだと思うな。美術の教科書に載ってる、ギリシャ彫刻みたいにさぁ。言い換えると、パイパン相手に一度ヤってみたかった。ショタ犯してるみたいで、最高じゃん?」
「そこは、言い換えないでほしかった!な、何て言われても嫌だけど…。りっくんも剃るなら、考えなくもない」
「え?オレ?嫌だよ。合宿で風呂とか入った時、どう言い訳するんだって話。それに雪兎くんも、どっちかってと毛深い方が好きとか言ってなかった?」
「うん。若毛深とか、割と好物。だけど、君の話を聞いて…。ショタに犯されてる気分になるのも、たまに悪くはないかなって」
「…」
「…」
「…やってみる?話のネタに、一度。お互い、利害関係の一致を得たっぽいし」
「…うん」
そんで二人、備え付けのカミソリでお毛々を剃り合って…。途中でお互い「何やってんだろう」と思わなくもなかったけど、そこは口に出さない約束な。そのまま、一直線に部屋に敷いてあった布団に入ったよ。いわゆる、布団は一つ枕は二つってやつね。
え?剃毛プレイの感想は、どうだったかって?控え目に言って、最高だった…。マジで、ショタ犯して奮わせてる気分。こう、精神的に屈服させてる感が強いかな。雪兎くんも雪兎くんで、しゃぶる時とか物理的にやりやすかったみたい。たまにと言わず、これからもお互い示し合わせてちょいちょいやってみたいわこれ。抜かずとは言わないけど、余裕で一晩で三発くらいはイきました。
さてお互い大満足して、布団の中で甘々なピロートークをしていると…。雪兎くんのスマホに、一通のメールが届いているのに気づいた。一瞬、トミさんの訃報を思い出して身構えたけど…。そうでなく、どうもおめでたい内容だったようだ。
「昨年投稿してた、BL小説のコンテスト…。婆ちゃんの事があって、すっかり忘れてた。入賞、だって…。書籍化について話をしたいので、返信を待ってるって」
「マジか。いや、オレは信じてたぜ!雪兎くんの才能と素質なら、いつか誰かに認められるって…。でも、畜生。雪兎くんの『抱負』は、これで叶っちゃったんだな。オレもふざけてばかりいないで、野球の方も真剣に頑張らないと…」
「うん。りっくんの夢も、いつか必ず認められる…。だって、それこそ才能と素質があるんだからね。ってか入賞したのも、実はりっくんをモチーフにした作品なんだよ。夢に向かって頑張ってる、野球少年をテーマにした…」
「そうなんだ?そりゃ、光栄な話だな。おっと、これからは軽々しい口が叩けないのか。なんたって、作家の『伊勢嶋雪兎』大先生だもんな」
「あはは、よしてよ。だけど、これをきっかけにもっともっと躍進して行きたい…。このデビュー作、『利き腕を骨折して、オ○ニーがしづらかった頃の話』を原点にして」
「ロクでもねぇタイトルだな」
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