第265話 花

どうもケシ科の花が近所で自生している。

2年ほど同じ場所で同じ花が群生しているのを見ているので、今年もそろそろ咲くのだろうと注意して見ていた。


他の雑草に隠れて、花が揺れていた。

今年も咲いている。


ケシ科の花は、通報が必要な物とそうでない物があって、私が見ているのはそうではないのだが、繁殖力が高くかぶれるというケシらしい。

花は可憐で美しいのだが、近づかないのがいいだろう。

まあ、他人の土地なので入らないし、近づくことはない。


田舎でもこうやって、特定外来生物といわれるような動物はたくさんいるし、植物も生えている。

なんかキレイだねえとぼんやりしていたら、自生してもらってはダメなものだったりして。

実際、道路脇のアスファルトの割れ目なんかにも生えてくる黄色い花も、そういう扱いのものらしい。


桜の季節が終わって、山の中にポツンポツンと藤色が見えて「藤の季節に変わったんだね」と夫婦でのん気に話をしていたのだが、山に人の手が入らなくなって藤が増えてしまった結果だそうだ。

これもキレイだねなんていう場面ではなく、山の手入れが出来なくなってきたということを嘆かなければならないところみたいだ。


うちからすぐの場所から山へ入っていくのだが、山の持ち主さんがここ数年は全く姿を見せないので、もう代替わりしてしまって手が回らないのかもしれない。

前の持ち主さんは高齢で、「タケノコ勝手に採っていってもいいよ」と言って、遠慮していたらうちの玄関前にその日に掘ったタケノコを置いていってくれたりしていたなあ。


竹や木が台風やらで折れまくっていても撤去されることもなく、年々ただただ荒れた山になっていっているのがわかる。

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