第237話 給食
幼稚園と小中と、私は給食で育った。
子どもたちは田舎育ちなので、給食といえば小学校のみ。
特に好き嫌いもなく、アレルギーもなく、手のかからない子だったとは思う。
今は昔と違って、保護者向けに給食の説明会なるものがあって、試食もさせてくれる。
これが年一回、春先に行われているのだが、ちょうどうちの引っ越しのタイミングで
「参加させられません」と担任に言われたのだった。
大きな街の学校では、「締切は数日過ぎてしまいましたが、引っ越しだから仕方ありません。参加のお気持ちがあれば掛け合いますので、気軽におっしゃってください。」という話になったので、担任に「申し訳ありませんが、参加させていただきたいです。」とお願いした。
これが、田舎の学校で担任がこちらにうっすら悪意があるような人間だと、「参加させられません」になる。
全体で100名もいない小学校で、給食室があってそれ。
掛け合ってももらえないようだった。
なので、早々に諦めた。
どんなものが提供されているのかは毎月配られる献立表でわかるが、味や雰囲気や栄養教諭のお話を聞く機会をそれっきり奪われてしまって残念。
サービス業でないのはわかるが、こっちもたった一回きりの機会を奪われてどうしていいものやら。
新一年生の春だけにそういう説明会があるんだよね。
二年にあった春に新一年生と一緒にどうですか?という提案もなかった。
今は給食室が廃止されてしまって、市で給食センターに委託しているから、特別感のある給食ではなくなっている様子。
子どもたちが食べていた給食、私も食べてみたかったわ。
田舎だから人数も少なくてうまく融通をきかせてもらえると思ったら大間違い。
困っていたのが田舎の人だったら、なんとかしてもらえたのかもしれないけどね。
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