第52話 出不精なおばさん
私はもともとインドアの人間である。
結婚してからはゲームにはまって、下手ながら楽しんでいる。
手仕事も好きで、子どもが小さい頃は子どもが昼寝している間に
小物や洋服などもミシンで縫って作っていた。
運動は定期的にしろと言われるが、体育会系出身でもないからか
どうすればいいのか、どれくらいが適切なのかが判断できない。
なので、なんだが面倒になってやらない。
急に思い立ってやるとやり過ぎて、次の日に地獄を見る。
せめてウォーキングをと言われても、地区を出ると人目が気になるし、
下手にクマに遭遇してもかなわないから、ゴミを捨てに行くくらいしか
外に出ない。
買い物に出るのも、本当に渋々。
食べ物がなかったら困るからというだけで出かけはするが、
ネットスーパーが使える地域ならきっと家から出ないと思う。
そんな私がバイクの免許を取って、一人でゆっくりと田舎道を走って
片道20キロくらいの場所へ行って帰ってくるのが楽しくなってきたのだから
人生何があるかわからない。
寺社仏閣の澄んだ空気が好きで、自分の中に澱が溜まっているように感じると
リセットがてら行くようにしている。
車でも行けるが、バイクで行くとありがたみが倍増するように感じる。
家から出た瞬間からずっと風を感じながら進むということで、全部洗い流すというか
吹き清めるというか。
程よい疲労感も達成感に繋がるようで。
道の駅でその辺りで育った野菜や果物を買ってくるのも最近は好きだ。
車よりもバイクの方が燃費がいいから、罪悪感なく遠出できるのも気に入っている。
私の出不精をなおしてくれるのは、バイクなんだろう。
大事にしていきたい。
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