第34話 雪かき

結婚して豪雪地帯に住んで、最初は雪に心が躍った。

雪といえば、ガトーショコラの上に降りかかっている

粉砂糖くらいで少し景色が白くなるくらいにしか経験がなく

雪の恐ろしさは全くわかっていなかった。


雪は降る時は容赦なくどんどん降って積もっていく。

10㎝くらいの積雪であれば、ささっと側溝に落としていくのも

それほどの労力ではない。


しかし、雪かきをしている間にも積もっていく。

道路の色が見えていたのに、振り返るともう白い。

下手すると雪かき前に逆戻りぐらい積もっていたりする。


側溝に落としていくのも、段々と側溝がいっぱいになって

雪を捨てる場所にも困ることになっていく。

それで道が狭くなっていくのだ。


雪の積もり具合を見ながら、雪かきするタイミングをはかる。

あまり様子を見過ぎていると、積もり過ぎて体力を削られるから。

こまめに雪かきするといいのだが、それはそれで雪に振り回されるし

回数が多くてものすごく疲れる。

日が照ってくれないかなあと空ともにらめっこ。


早朝まだ暗い時間に、大きな道路を除雪車が作業していく。

大雪になれば作業時間がかかるようで、なかなかうちの近くまで

手が回らなかったりする。

国道に出るまでまったく除雪が入っていない道を車で走るのは

スリリング。


そんな日でも高校生なんかが自転車に乗っていたりするから要注意。

徒歩の子でも転ぶし、自転車ならなおさら。

道幅が狭くなった道路を人や自転車を大きく避けながら通る。


民家前も危険。

自分のうちの前に積みあがる雪を道路に撒いて捨てる高齢者が多いから。

本当は違反。わかっているのかわかっていないのか。

除雪されているのに雪がそこだけあったりして滑ることもあるし

車も見ていないから、直接フロントガラスにかかるように雪を撒かれたこともある。


水を流しっぱなしにして雪を融かすという方法もなくはないが

気温によってはただ道に氷を作るだけになるのと、水道代がばかにならないらしいと

聞いてやっていない。


毎年願うのは、あまり大雪が続かないといいなということ。

子どもは雪だるまやかまくらを作ったり、そりで遊んだり楽しそうではある。

雪かきは中学生くらいになってから、大雪警報が出て休校になった日なんかに

手伝ってもらったな。

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