第32話 遠足

これまでのことを思い出しながら一気にたくさん吐き出すように

書いている。


我が子たちの学校生活などはさすがに忘れつつあるなと

自覚したおばさんである。


忘れないうちに思い出したことを一つ。


小中と遠足がなかったのだ。


普通に春の遠足、秋の遠足があって、その日はお弁当持参だと

全国どこでもそういうものだと思っていた。


そういう遠足で自分の住んでいる地域にどんなものがあって

どんな産業があるとか知ることができて、友達とも思い出が

できるものだったのだが、田舎ではなかった。


ちなみに幼稚園や高校では遠足はあった。


かわりに「親子行事」という、保護者が企画するイベントが。

それにキャンプなども含まれていた。


親が見ている中の行事で思い出も共有されるとは

なかなかハードだなあと後から思ったのだった。


小学校低学年くらいならそれでもいいが、どうなんだろうなあ。


おやつは300円までです、なんてこともないし。


親子でほのぼのできるのは楽しかったが、本数は少なくても

自分たちでバスや電車を乗り継いでどこかへ行った方が

のびのび楽しかったのではないかなと思う。



小学校高学年から中学なんて、誰が誰を好きだとか

あそこは付き合ってるだとか親たちがわかっている状態で

親子でそういう行事に参加するのだから、居心地が悪い。


もっと本人たちの方が居心地が悪かっただろう。


子どもたちが卒業してかなり経つが、なんとか平日に

学校だけで遠足をやってくれているといいなと思う。

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