第7話 買い物

今はAmazonや楽天なども気軽に使えるから、困ることは減っている。

それでも普段の買い物は車に乗らないとならないから、不便ではある。


TVなどで新製品を宣伝していたところで、近くのスーパーに並ぶ補償はない。

カルディ・無印・コストコなんて県庁所在地まで行かないとない。


ちょっとケーキでも焼こうと思い立ち、クリームチーズを買いに出かけたら

置いていないなんてことも普通にある。


洋服は田舎に若者がほぼいないということで、買える店舗がそもそもなかったりして

帰省する際にまとめて買うとか、ユニクロのセールでまとめて買うとかになり

だんだんと新しい洋服を着て歩きたいという欲求がなくなっていく。


あたりさわりのない色とデザインの洋服を身につける。

ミニスカートなんか履いてもいないのに、スカートを履いているだけで

子どもの保護者の中で悪口が広がっていく。


うちが買うものや身につけているものにまで、裏で文句を言っているのが

聞こえてくることもあり、なかなかうんざりしていく。


悪口を言っている人の中には、次に会った時には私が履いていたスカートと

同じものや似た色のものを身につけている人も出てきて、怖いというか

気持ち悪さを感じた。


そして、私は積極的に地元の人と友達になることを諦めた。

奇跡的に気が合う人がいれば、そこで喋ってみて仲良くなれたらいいし、

子どもや夫の為に無理しても仕方ないだろうという境地に立った。


田舎の人は、よそのうちの車種も記憶しているから、いつどこで買い物しているなんてことは、すぐ判明して広められてしまう。

拘りを持って買い物をしているとなると知られると、十分に尾ひれがついた悪口で満ち溢れる。


通販も宅配業者が毎日家に来る状況であれば、ちゃんと家事をしているのか、

浪費癖がすごいとか、知らない所でたくさん言われる結果となる。



帰省ついでに子どもが友達に誕生日プレゼントを買ったら、翌週にそのお店の

袋をクラスの多くの子が持っていたりして。


その話を神戸の友人にしたら、「いかりスーパーの袋を持ってみてよ!次の週はみんなで持ってくるんじゃない?」と楽しそうに提案されてしまった。

試す勇気は出なかった。


今は大抵どこもオンラインショップがあるから、こういう煩わしさはないのかもしれない。

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