ゴーサイバーエピローグ
Side 楠木 達也
あの激しい戦いから数日が経過した。
まず皆纏めて病院送りにされ、さながら野戦病院と化した。茂もナオミも同じだ。
アレだけの激しい戦いだったのだ。
正直死者が出なかったのが奇跡みたいなもんだ。
その後も見舞いとかで騒がしい日々を過ごし、ちっとも休息など出来なかったが悪い気はしなかった。
ちなみに大破したマシンを含めてゴーサイバーは被害甚大だったと司令は愚痴を溢していたがその顔には笑みが浮かんでいた。それが本音なのだろう。
マリアから聞いたのだが今回の一連の件で上層部から散々嫌味を言われたらしい。どう言うやり取りがあったかは容易に想像出来た。
そしてある時を境にナオミはパッタリと姿を消した。「また会いましょうボウヤ」と書き置きを残して。
それに続くように黄山 茂ことデンジダーも目の前から居なくなった。「もう家庭教師としての自分は必要ないだろう」と言う判断らしい。それを達也は止めようとは思わなかった。ただサイドカーに乗ったその背中をじっと見送った。きっとこれからもデンジダーとして戦い続けるのだろう。
達也はゴーサイバーとして正式に戦線復帰する事になった。
が……新たなメンバー、サイバーブラック、サイバーウイングスが正式に加わる事で、ローテーションが組まれる事になる。
そのせいでマリア達とは顔を合わす機会は訓練ぐらいでしかなくなった。
ちなみに戦術アドバイザーの寺門 幸男は戦線に出る事は無い――そもそも後方担当の彼がスーツを着て戦うのが異常だったのだ。緊急事態が起こらない限り、プロトサイバーとして戦う姿はもう見る事は無いだろう。
余談だが新しく来た隊員の一人、サイバーブラックは元軍属の女性だったせいかとても厳しい人で達也はヒィヒィ言う事になる。改めて自分が受けた訓練は天国だったのだと痛感する事となった。
そして薫達とだが……少々複雑な事になっている。
何せ芳香の過去を思いだし、その気持ちを知ってしまったからだ。前々から薫が自分に好意抱いていたのは何となく分かっていたため特に驚く事は無かったが。
それもこれもジェノサイザーとの戦いの前に読んだあの遺書(と呼んで良いのか分からないが便宜上この表記を使わせて頂く)に書いてあった事だ。
ともかくこうして三角関係になってしまったからだ。手紙の呼んだ事を告げた後の二人はそれはもう大変だった。絶叫を上げて暴れ回った程だ。そして薫は積極的にアプローチを始め、開き直ったかのように芳香もまた達也の争奪戦を繰り広げ始める。
それを麗子は傍観し、浩からは「精々苦労しろよ、ヒーロー」とありがたい言葉を頂戴された。
とまぁ良い事だらけではないがこれからもこんな日々がずっと続けば良いと達也は思う。
だがしかし、まだリユニオンや第三勢力とも言うべき連中との戦いは続いている。
そして今日も達也達は出動する。
ゴーサイバーとして――
原作:へのへのもへじ
著:MrR
超電特装ゴーサイバー
完
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