4 衝動

曇天に一筋の弧を描く

放たれた閃光

一塊の膨らみとなって

押し寄せる疾風 

見えない筈の質量が

私に襲いかかる


流れる大気は凄まじい轟音と共に

驚くほど穏やかな冷気で頬を裂いた


降り注ぐ光を離散させ

切れ切れに泳ぐ雲の群を掻き分けて

その気流は

紺碧に添って駆け抜ける


微かに残した緑を振り翳し

木々はしなり唸る

透明な膨らみに

気圧されながら

私は空を覗き見た


顔を覆う腕すら振り降ろし

仰ぎ見る


アオ


此の一瞬

垣間見えた

静けさよ

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