第13話 消しゴム
おいら、消しゴム。
ダイソーで2個セットで売ってる消しゴム。
激落ちくん。じゃないよ
mono。って書いてあるごく普通の消しゴム。
ちょっと小さめだけど、筆箱にはちょうどいいかも。
おいらのご主人様は、女子中学生。
といっても今、ここにいるのはおいらだけ。
2個セットの片割れ、兄弟は違うとこにもらわれていった。
まあ、男の子なんだけどね。ご主人様の幼馴染の男の子のところに。
今日は一緒に勉強するってことだったんだけど、まだ来ないね。
約束の時間、20分ぐらい遅刻だね。ちょっとご機嫌ななめ?
お。来た来た。
「ごめん。遅くなった。待った?」
ご主人様、10分前に来てたよ。
「待った。とても待った。すんごい待った。も、2年ぐらい待ったし。」
2年待ったって・・・。ご主人様・・・。
「ごめんごめん。3年分ごめん。」
「2年って言ったんだけど。」
「余分にごめん。いっといた。これ誠意。」
「わけわからんし。」
ご主人様。文句言ってる割には機嫌直ってそう。
よ。兄弟。元気?
おお。片割れ。元気か?
兄弟との再会も済んだ。
男の子がご主人様に、おいらたち消しゴム2つを並べて、
「俺のほうが減ってるなあ。頑張ってるもんな。」
と自画自賛。
ご主人様は、
「そうだね。そんだけ頑張ってたら、テストもいけそう?」
「の、つもりなんだけどなあ。」
・・・ご主人様はあまり使いたくないんだよな。おいらを。
でも、おいらがなくなっても、二人の間はなくならないし、
消せないと思うと。
ちょ。幼馴染。
おいらひん剥いてシャーペンで北斗七星。刻むな!
おいら、もう南斗だぜ~。
兄弟。。。おまえ。。。
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