64.二刀流
さすがに七等呪位の
隙を突いて口から水弾を発射。接近して戦っていたので避ける暇もなく瑞葵に着弾、盛大に宙を舞う。
それでも果敢に攻める瑞葵。ちゃんとダメージ管理しているんだろうな?
「BPは大丈夫か? 危なくなる前に回復しろよ!」
「誰にものを言っていて!」
忘れてはいないようなので傍観に徹しよう。あまり言いすぎると藪蛇になりそうだからな。
槍というより棒を使っているような戦いを繰り返し、アンクーシャを五回使ったところでそろそろ限界だろう。
「選手交代だ」
入れ替わるところで瑞葵の肩をポンと叩き、プチBP回復でBPを回復してやる。
「えっ!? あ、ありがとう……」
なぜそこで驚く!? 俺は鬼じゃないんだぞ。ちゃんと回復くらいしてやるさ。
俺と瑞葵が入れ替わったところで麗華が再度、勇撃の波動を発動。このスキルも瑞葵のスキルと同じで大化けする可能性が高いので、どんどん使ってレベルを上げてほしい。
さて、
俺は双剣ではないが、霊子ナイフと鬼殺の剣の二刀流。その戦い方は参考になる。盗ませてもらう、並列思考でその技術を。
何合か手合わせをする。こいつ上手いな。剣術というより見極めがな。こちらが霊子ナイフで攻撃した時は片手で、鬼殺の剣で攻撃した時は必ず双剣両方をクロスして使い防いでくる。そして反撃の速さ。片手で防いだ時は、必ずもう片方の剣がほぼ同時に俺に向かって振られている。
何度か防ぎきれずBPを削られているが、凄い勉強になる。
そうくるなら、こちらもその反対でやってみる。
鬼殺の剣の攻撃はある意味ブラフ。本命は鬼殺の剣を双剣で防いだ時。霊子ナイフを素早くコンパクトに振るう。大ダメージは狙わない。数と呪い効果で勝負だ。
今まで見てきたとおり、鬼殺の剣で攻撃すると必ず双剣をクロスさせ防いでくる。その一瞬の隙を付き、鬼殺の剣を押し込みながら霊子ナイフでコンパクトに振るう。
こちらの狙いどおり決まったと思ったのに掠った程度。こいつ、身体能力も高いなぁ。だが、驚き戸惑った表情を見ると、呪い効果は発動したようだ。
次こそは決める! 何度か打ち合い、またチャンスがやって来る。ここだ! と思い霊子ナイフを突いた瞬間、なぜか宙を舞っていた……。
何が起きた? 並列思考でも完璧なタイミングだったはず。
しかし何が起きた? BPを回復しながら考えるがわからん。
「尻尾よ」
瑞葵から回答が提示されました。尻尾で死角から叩かれたようだ。尻尾、あるな。足には注意していたが尻尾かぁ。第三の足って感じだな。
俺が間合いを取っている間に瑞葵はスキルを使って、
麗華は何もせずこちらをジッとこちらを窺っている。俺の攻撃を一挙手一投足を見て学ぶというところか。それと、あと一回は勇撃の波動を使えるはずなので、みんなでボコる時に備えているのだろう。
ならばその期待に応えよう。
「本気を出す。相手を動けなくするからボコれよ!」
加速!
俺を一瞬見失う
しかし、それが俺の狙い。霊子ナイフをしまって鬼殺の剣を両手持ちに変え、襲ってくる
痛みからか顔を上にあげて口を大きく開く。
それはさておき、
くっ、なんか頭がクラクラする。何かの魔法か? ヤバいな、速攻で決める。
意識を強く持ち接近。気配は感じているようだが、動きにはついてこれていない。ここが勝負所。
河津掛で強引に後ろに押し倒し、苦痛で一瞬動きの止まった隙にひっくり返して腕挫脚固を決める。完璧に決まった。
「今だ! やれ!」
麗華が最後の勇撃の波動を使用。
瑞葵と麗華、
麗華は
瑞葵さん、槍の使い方間違ってますよ。それにたまに俺にも当っているぞ!
わざとじゃないよな! わざとじゃないですよね?
『レベルが14になりました』
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ーーー
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ー
痛くはないが、なんか心が痛かった戦いだった……。
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