第15話 いい家住んでんな

十分程で、白鳥の家に着いた。

「うわっ、いい家住んでんな、お前」

 白鳥の家は、ただの家というよりは、お屋敷といった方が正しかった。

 それに、明らかに周りの家から孤立していた。そこだけ、ヨーロッパの風景が切り取られたようだった。

 前にテレビで見た、超セレブの豪邸とまでは行かなくとも、プチセレブぐらいにはなるだろう。

「あまり、人の家をジロジロと見ないで頂戴」

「ああ、ごめん、ごめん」

 つい、見とれてしまっていた。

「ああ、そういえば、あなた、携帯電話は持ってるかしら?」

「ケータイ? ああ、持ってるけど」

 おれは、バッグから濃い青色をしたケータイを取り出した。

「これから何かあった時に、お互いの連絡先が分かっていると便利でしょう」

 そう言って、白鳥は黒色のケータイを取り出した。

「ああ、そうだな」

 お互いのアドレスが交換される。

 白鳥美和子のアドレスをゲットした。

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