第1話

『まずは服かな〜』市場を先日の少年と歩く。

色々買わないといけないからね〜

裏社会の市場だから、私の行きつけの店がすごく多い!全員顔見知り!

『あ、それと名前、昨日考えてみたんだけど‥』

『アルマ、でどう?』「‥いいですね」

アルマの表情筋が一瞬複雑に震えた。恐らく、上がりかけた口角を無理やり下げたのだろう。

『…笑っていいんだよ』「…!?」なんで分かったの?!っと言わんばかりに驚いた表情でこちらを見つめてくる。

『もう、笑っても怒られたりとかしないから!好きなだけ笑え!』

「…はい」アルマはそう言って少し照れくさそうに笑った


『やっほーーう』「やっほ」洋服店の店員が少し微笑んで片手を上げる

「その子の黒服探しに来た感じ?」『そそそ!このコ今日から私の弟子だから!』

「へーえ。それじゃ、採寸から始めるねー」

アルマは店員に連れて行かれ、更衣室に入っていった。

さて、このうちに良さげなのでも探しときますか〜

ジッパーがたくさんついた革ジャンとズボンのセット。

ジッパーは好みじゃない。地味だもん。

バックルじゃらじゃらが最高なんじゃ…

「おまたせ〜。採寸終わった。このあたりの服なら行けるよ〜」

『てんきゅ〜!』

『さて、それじゃあ、どの服がいい?』「うーーん…」

アルマが顎に手を当て考え始める。

「あ、そうだ。そこにある服触ってみていいから、試着して考えな。」

「あ、ありがとうございます…」

アルマはたっぷり10分は考えた末、一着の服を手に取った。

「あ、それにする感じ?狂華とセンスそっくりじゃん」『えっほんとだ!いいセンスしてる〜!!』「試着してみな」


アルマは試着室の鏡で自分の姿をまじまじと見つめた。

バックルじゃらじゃらの黒革のジャンバー、ズボン、そして靴。はい最っっ高。

『おそろいじゃ〜ん!じゃあ、これそのまんま着て回る?』「…はい」

「んじゃ、二万ポッキリいただきま〜す」

『えっ、これ上だけで二万だよね?』「いいよいいよ。この前家の夫と不倫相手殺ってくれたし。その子へのプレゼント。」『え、いいの?ありがと!』

代金を支払い、店を去ろうとしたとき、店員がアルマに声をかけた。

「君、頑張ってね。狂華みたいに立派な殺し屋になるんだよ。」

「…はい。がんばります」アルマは微笑み、歩き出した。


『さ〜てさて!次は武器屋で武器選びだ!』

狂華の陽気なテンションとは対照的に、店内にはゴリゴリの明らかに堅気ではない男が立っていた。

「らっしゃい狂華…今日は何をお探しで…?」

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