#249 夏の終わり

 夏休みが終わり、蝉の鳴き声がなくなり、太陽が沈む時間がだんだんと早くなっていく。朝晩の気温が低くなっていき、日中の気温が30度が続き、次第に30度以下になっていく。エアコンがいらない日が出てきて、外を歩く時、肌を焼く太陽の光が優しくなっていく。

 こうやって、夏が終わっていく。

 気づいたらみんな「秋だね」「涼しくなったね〜」と言う。

 でも気づいて欲しい。夏が終わると言うことは、その一年がもう終わると言うことなんだ。

 考えてみて欲しい。夏は八月がメイン。九月は残暑があるが、秋と感じられるようになっていく。そして完全に秋になることには十月だ。

 そう、十月。それが終われば一一月だが、一一月なんてあってないようなものだ。だってその次の一二月で一年が終わってしまうのだから。

 ここから加速的に一年が終わっていく。終わりに向かっていく。

 だから、夏の終わりは一年の終わりと言えるだろう。

 残りの時間、どうか悔いのないように生きてほしい。今の時代秋なんて無くなって来ている。先ほど「秋だね」と書いたが、秋なんてすぐに終わって冬が来る。

 遠くない未来、四季がなくなって二季──夏と冬だけの季節──になった時、より一年の経過を早く感じるだろう。


 嘘だと思うなら、冬になった時にまた読みに来てごらん。

 ここに書いてあることが、きっと今とは違って見えるはずだから。

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