第22話 最悪の事態

「見てください。あちらから火が…」


爆発した!?

どうして?


「そういえば、風夏さんの能力って風でしたよね??もしかして火を消せるかもしれない!」


「志乃さん。私試してみます。4人はこちらでお待ちください。」


タッ、タッ


風夏の姿がこちらから見える。


ドカーンッ


また爆発!?


「風夏は大丈夫なの??」


「大丈夫だ!怪我もなさそうだ!」


ワレも火の方に向かうか?


「火が強くなってます!やばいです!!」


「ほんとだ。これはやばい。」


「ワレ行ってくる!」


タッタッ


「ちょっと待って!」


その声は柄木には届かなかった。


ドカーンッ


また爆発だ。

私の顔を爆風が掠めた。


「柄木と風夏は…大丈夫だよね…」


「きっと、大丈夫ですよ!みっちゃん先輩は花ちゃんの手をしっかりと握っていてください!」


「志乃ちゃん??」


「大丈夫だとは思いますけど、無傷だという保証はないです…」


「行っちゃダメだよ、」


「私はみっちゃん先輩よりか運動神経良さそうなので、行ってきます!花ちゃんのこと頼みますよ!」


ギュッ


離さない。

今回はちゃんと引き止めてみせる。


「行かないで、」


「帰ってくるって約束します!私今まで約束破ったことありませんよね?信じて待っていて下さい!」


「…」


私はその手を離してしまった。

気持ちが揺らいだから。

今まで一緒に働いていた先輩後輩の仲。

ただそれだけなのに、信じてもいいという気持ちになった。


「引き止められなかったな…」

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