真夜中のおねえちゃん

 深夜に息苦しくて目を覚ます。

 目を開けると、瞼を閉じたお姉ちゃんがキスをしてきていた。


「はぇ……ぁ……んむっ……」


 控えめに口の中をお姉ちゃんの舌が探索してくる。


「レンのおくち、好き。はぁ、落ち着く。んん」


 ボクの耳を指で擦り、子供をあやすようにキスを続ける。

 けれど、ボクを甘やかすというよりは、お姉ちゃんの方が甘えているみたいだった。


「ランは、こっちの方が好きです」


 声は布団の中から聞こえる。

 敏感な場所を長くて、滑ったものが這いまわる。


 ボクは声を出さないようにするので、精一杯だ。


 安城さんの口技は何がすごいかというと、舌の動きと口の動きが、一致しないことだった。

 それぞれが別の動きをするので、別の生き物みたいなのだ。

 舌はベルトコンベアのように、前後に繰り返し動く。

 表面はトロトロに濡れていて、無数の突起物がある。


 これが、延々と敏感な場所を這いずり回るのだ。


「……あ」


 腰が大きく跳ねてしまう。


 すると、安城さんは腰を押さえつけてきた。

 敏感な場所が丸ごと、温かい穴に呑み込まれていく。


「っ」

「なあに。レンも気持ちいいの? あたしもよ」


 お姉ちゃんは唇を擦り合わせて、首を抱きしめてきた。


「好きぃ。……大好きぃ」


 うわ言のように呟き、ひたすら愛情のこもったキスが責め立ててくる。

 同時に、下半身の方では内ももを爪で、さらさらと掻かれてしまう。


「……ん。いっぱい、出ましたね」


 一度、下半身の快楽が限界に達する。

 だが、安城さんは敏感な場所を愛し続けた。


「クスっ。このまま、ずっとランのお口で愛し続けたら、レン様はどうなるのでしょうね。……試してみましょうか」


 お姉ちゃんが怖いと言っていた気持ちがわかる。

 強烈な快楽が連続で体中を駆け巡ると、どうなるのか分からない未知への恐怖が込み上げてくるのだ。


 ボクはたまらずに、お姉ちゃんの方に顔を傾けた。


「よひ、よひ。……いっぱい、甘えなさい」


 そう言いながら、お姉ちゃんは甘えてきた。

 下では、安城さんが腰にしがみ付いて、身動きができないように押さえてくる。

 けれど、与えられる快楽は、非常に丁寧で、愛に満ちたものだった。

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