099  カラスが騒いでた

     ◆2023年9月26日

プチ畑で花がつきだしたシソの葉が、虫喰い穴だらけに。

これじゃ乾燥保存させてふりかけにするまでもないかと、引っこ抜いてました。

後日刻んで、ネギをマルチしようかと。


すると、あちこちでやたらカラスたちが声をかけあってるんです。

いつもの朝ならせいぜい鳴き声は1羽だけなのに、4~5羽はいるみたい。



初めは私の姿を物見高く見てのことかと思ってました。

ずうっと外仕事サボってたから、珍しがってるのかなあって。


ところが、一段落して朝食に戻ろうとボロロプレハブの鉄階段まで来たら、周りの檜林を縫うように飛ぶ奴も出る始末。なのに、もっと遠くでわめいてる奴だの───。



…どうも、何か獲物を見つけてのことじゃないか。


猟期になると、カラスたちはこんな風に騒がしくなる。

けどもまだ十月前。それでも何か、襲いやすい獣でも見つけたような……。


想像どおりなら襲撃シーンに出くわしたくないので、朝食後はカラスの動向と反対の方角で草刈りをすることにしました。1週間ほど前に手がけて中断してた道なりをです。





死骸だと騒ぎは酷く鳴き声も増え、空を行き交う数に驚かされもするから、猟師が罠にかかったシカやイノシシを捌いてそうでもありませんでした。

山頂側の崖から垂れてるススキやら刈りだしたのですが、結構離れてるせいか、もうカラスの騒ぎは聞こえなかった。


けれどススキも穂が出始めたし、そろそろ猟師が罠をしかけだしてはいるのかも。

一昨日の風でドングリ=椎の実がずいぶんと落ちたから、イノシシが頻繁に動き回りだしてもおかしくない。


一個だけしっかり色づきだしてた海側の甘柿を眺めながら、今年ももうそんな時期になったとあらためて思ったことでした。


野ブドウの実がトルコ石みたいに青く艶めくのも、じきです。

野菊だって咲きだした。



昨日ぶり返した暑さは今日はさほどでなく、仕事もはかどりました。

といっても所詮はヨタヨタ婆さん、刈り取って抱えたススキの束をとりあえずの場所へ運ぶさえノロノロでしたけどね。



そんなくらいなので、なんてこの一年が早く、一日もまたたくまに過ぎちまうんだろうと、有線の5時の時報を聞いたことでした。


ぐうたらなくせ、ゆっくり海を眺めもしない海月山での暮らしぶり…………。

暮れだす前にと、そそくさ仕事仕舞いしはじめました。










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