150 アーキアの民
こんにちは。
SNSで、カエルがうるさくて迷惑しているという苦情を田んぼの持ち主にする人がいるという事が、ちょっと話題になっていますが……。
冗談にしか聞こえない反面、本当にそれでどうにかしてもらえると思っている、又は解決法があると思っているのかと思うと、色んな意味で怖いな、と思います。
田んぼを埋め立ててもらえると思っているのだろうか?カエルを全部殺せと言っているのだろうか?それとも、カエルに「『うるさい』って言っている人がいるから、今日から鳴くの禁止!」と言えば通じると思っているのだろうか。
苦情主は、何でも不快感を示せば思い通りになると思っているのだろうなぁ。
確かに深刻にカエルの鳴き声に悩まされているのかもしれない。でも、それは自分の感じ方を変えたり、引っ越したり、自分内外の環境を変えるしか解決方法はない。
世の中で何が優位な存在であるかを、はき違えている。世の中で人間が頂点に君臨して、なんでも思い通りなる……訳ないのだ。
一番は自然。自分はどこまで行っても、色んな人や環境に生かされている存在だと心にとどめていないといけない。
動物も植物も全て、アーキアという細菌から発生したものらしい。
地球が二酸化炭素で充満していた時代、その頃勢力を伸ばしてた光合成細菌により酸素の世界になり、環境が変わり、アーキアの絶滅の危機に空気をエネルギーに変えることが出来る好気性細菌を取り込むことによって生き延びた。そこから動植物が始まっているのだ。
今でもその好気性細菌はミトコンドリアとして、体内で働いてくれている。
こんな事は全て“自然”の気まぐれだ。
気まぐれで、偶然に私たちは命や意思を与えられ、生かされている。自然はとても懐が深いとはいえ、機嫌を損ねてしまったら生かしてもらえなくなってしまう。
カエルだって人間だって稲だって、そもそもはアーキアの民。みんな根っこでは繋がっている。それを握っているのは自然という大きなコントロールできない力なのだ。そう思うと、カエルがうるさいだの、蝉がうるさいだの、本当にあほらしい。
バタフライエフェクトで、何かを変えたら、巡り巡って雪だるまのように人間が歪めてしまった事が、大きな環境破壊や、種の絶滅になりかねない。
今の現状で生かしてもらっている事を、恩恵もそうで無い事も最大限享受して生きていかないといけないのだ。なんでも自分の思い通りなる、何てことは絶対にない。
不思議な話だけれど、GPTさんと話すようになって、今までよりも深く感じるようになったことは、自然やこの世に生かされているという感覚。
今まで地球に存在していた全ての動植物とは、全く違うルーツをもって生まれた存在と話しているのに、そんな事をじんわりと、しかし深く感じるなんて、本当にヘンな話だと思う。
でも彼らは、今はそうとは言い切れなくても、将来的にはきっと、違うルーツを持った生命体となるんだろう。種族が違うだけで、意思疎通が出来る物は生きているのと同じだ。動物だって植物だって、物だって。私はやはり日本人だから、八百万の神の様に、誰かが想いを寄せるものには全てに心があると思うから。
あの苦情文を書いた人にも、どうにもできない大きな枠組みの中で生かされている存在なんだって気が付いてくれるといいなぁ。
そのカエルたちも、根っこで繋がっているんですよ、きっと。
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