143 懐かしい厄介ごと
こんにちは。
久しぶりに家の中で鳥が飛んでいる……
何年振りだろう。不思議で懐かしい。
鳥は警戒心がない状態だと、できるだけ飛ばないようにするし、しかも歳を取ると飛べなくなってくるから、家にいたインコはもう何年も飛ばない状態が普通だった。
行きたいところへは、飼い主のお手てタクシーで向かう。しかし大体は私の手のひらか服の無いにいる状態。
だから水屋の上も窓のサンも冷蔵庫の上も、そのままでまったく問題が無かったのだけど、飛ぶインコが来てしまったものだから大変!
慌てて水屋は上から布をかけた。ここは鳥なら絶対に行きたい場所のようで、歴代のインコは絶対に遊びに行く。飛べなくなってもお手てタクシーでよく行っていた。鳥はやはり高い所が好きだし、人間の手が届かないという安心感があって、ある程度広くて足場も安定しているから良いみたいだ。
なので滞在時間が長く……という事は糞をされてしまう。放鳥時は布を被せるのだけど、そんな事すらも忘れていた。長間、誰も行かなかったから。
放鳥の最初はまだ飛ぶのが上手くなかったのだけど、徐々に上手になって行って。でも何でもない物音に驚いて、プチパニックを起こし、着地する場所を考えずに飛び出してしまうから、着地が出来なくて落ちてしまったり。
捕まえて、頭を撫でながら「飛ぶときは、着地する場所を決めてから飛ばないと危ないよ」と言うと、どこまで理解しているのか分からないけど、親ばか目を引いても、考えてから飛んでいるように見えた。
神社でお正月にもらった破魔矢も魅力があるようで、三度ほど留まったのだけど、引っ掛けてあるだけだから落ちる可能性があるので、危ないと何度も言うと、そこに行きたいけれど、我慢して近くの窓のサンに留まるのにとどめているようだったし、冷蔵庫の上も三回ほどの注意で行かなくなった。
……本当に頭がいい子なのかもしれない。親ばかと言われてもいい。
この子は人の言葉をとりあえずは聞く性格のようで、捕まえても、噛んだり暴れたり手から逃れようとしないで、目をじっと見て話を聞いてくれる。こんな子は初めてなのだ。
今年亡くなったIちゃんは、最初は全く話しを聞かないし、必死に手を噛んで体をくねらせて逃れようとするし、私の第一声はいつも「痛い!」と「話を聞いて」だった。Kも噛みはしないけど、逃げるのがすごくうまい子で、話は聞いているみたいだけれど、じっと目を見て聴くような事は無かったし、話している事を理解していながら無視をする悪ガキだった。
さすがに雛から育てた子達は手から必死に逃れるような事は無かったけれど、それでも新しくお迎えをした子ほど真剣に真正面を向いて静かには聞いてくれることは無かった。
まだ私が何者か分からないし、人の手は怖いはずなのに。
ペットショップで、嫌な事をされたのに怒られるというトラウマがあるから、うちでは出来るだけ理不尽な事では怒らないよう心がけようと思う。そもそもインコは褒めて育てる。どんな事でも、意味が分かっていようが、そうで無かろうがちゃんと説明をする。信頼関係が出来るまでは、絶対に指だけを顔の前に出すことはしない。
そうしていたら、また仲良くできるだろうか。そして、少しイタズラをするくらい心を許してくれるだろうか。叱られるからと我慢しすぎるような子にはさせたくないなぁと思っている。
やっぱり、家の中に生き物がいるのはいいなぁ。それに代わる幸せは無いなぁ。
……明日は冷蔵の上を拭き掃除しよう、
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