21 赦し
こんにちは。
テレビでノルウェーの刑務所が世界一人道的だという特集を見ました。
人や社会に必要にされる人材にするためのプログラムで、共同生活や職業訓練、そして反省を促して赦しを与え、更生させて出所させるらしい。24時間好きな時間にキッチンでナイフを持って調理をする事も出来る。隔離場所も牢屋ではなく、島がまるまる刑務所になっていて、開放的なシェアハウスのような場所で過ごすらしい。
しかし約10年前にその方針を揺るがす事件が起きたというのだ。
正しい意味で「確信犯」というのか。自分の信じる主義主張を実現するために、大量殺りくをした犯人に厳罰を求める動きがあり、世論は割れたらしい。
その犯人は自分勝手な理想を持っている、いわば政治犯なので正しい事をしていると今もまだ思っているらしく反省はしていないそうだ。だけれども、遺族にとっては長い年月が経ち、当初は厳罰を望んでいた人たちも厳罰を実行する世の中になれば犯人の思う世界に近づけてしまうから、世の中が勢いでそちらに流されなくてよかったと語っていた。
実際に、この人道的なシステムの運用は成功していて、厳罰を科していた時の再犯率は高かったのだけど、人道的な更生プログラムにしてからは再犯率が減ったらしい。80%が20%に減ったんだったかな?数字が違っていたらごめん。でもすごい差があった。
厳罰化をして欲しいという人たちの思いと赦しを与えるべきだと言う人たちの思い。どちらの思いもわかるんだよなぁ~と思いながら見ていました。
これはきっと、平行線で答えは出ない問題なのでしょうね。それは厳罰化を求めている人たちは「救えない人」もこの世に存在する事を知っているからだと思う。
ほとんどの人は更生する事が出来る種を持っているけれど、本当に救えない人……救えたとしてもその人の人生で起こる出来事以上の何かと、犠牲になる言われのない人々の人生を費やさないといけないのだと思う。1人を更生させるのに時間と犠牲が釣り合わない。
病気とか出来心とか貧困とか、育ちの過程でひねくれてしまったから、では無く、根本的に性格が「それ」という人がいる事も真実なんだと思う。実際に近くにそういう人がいたから分かる。病気は自分でも葛藤したりして苦しいだろうし、治療できるのだけれど、性格の人は「それ」が正常だから治しようがない。そういう救えない人は、どうしたら人が一番嫌がるかを感じ取る事に敏感で聡く、実行する事に正当性をこじつけるのがとてもうまい。ノルウェーの犯人もそういう性質を持っている人なんだろう。
今、ストーカーの問題も注目されているけれど、ほとんどの人が現在の警告するシステムで行為は無くなるけれど、何割かはエスカレートすると聞いて。その中もきっと細分化が出来て、根気強くカウンセリングを受けて目覚める事が出る人と、変化が無い人がいるんだろう。
後者を知っているからなぁ。まず性格だから「その考え」がその人の正常だから変え様がないのだ。学習とか気付きでは上書きできない、もっと深い所で結びついている。
私が思い浮かべるその人は、知らない間に病気で亡くなっていたから、つながりのある人たちはみんなホッとした。
厳罰と赦し。両輪で行くべきなのか、どちらかをどうしても選ばないといけないのか。とても難しい。人が人を捌く事自体が難しい事なのだから。
いろんな考えの人がいて、私がここに書いたような事は間違っているという人もいれば、生ぬるいと思う人もいるだろう。でも、そういういろんな思いを包み込んで、人を赦す社会作っているノルウェーは本当すごいなぁと思います。
私も、人の悪よりも善を信じたいのです。根本は無だと思う。でも人と関わらないで育つ人はいないから。人との関わり合いの中で善になるのだと思っています。
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