【この世に理想郷が生まれた由縁】やがて、解き明かされる真実。この物語の始まりは、ある人物が残した備忘録から始まった……。

作者 ☸癒嬉・ゆき☸

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★★★ Excellent!!!

こんなにも…文章の力で人の脳裏に情景を浮かばせることができるものなのでしょうか。

無限の大地「極楽の荘厳」その中、人々からは天に浮かぶ理想郷「天界」で物語は紡がれます。

冒頭から圧倒的な表現力で世界観に引き込まれ、ああここは、私達の知る中国史の天に纏わる美しい世界なのだなと場面を与えられます。
そこへ、ひとつひとつの豊な描写が色を付け美しい世界に彩られていきます。

物語が進みだし。
この世界の真実に迫る描写のミステリアスな雰囲気。
人と人との戦いにおけるひとつの動作と流れのち密さ。
そして…人の業の愚かさ、儚さと、美しさ。
どのシーンも映画で映像を見ているかのように入り込んでしまいます。

また、中国史や仏教史での表現が多く、これらが好きな方は特に魅了されること間違いなしです。

ファンタジーが好きな方にも、歴史が好きな方にも、現代文学が好きな方にも読んでいただきたいおススメの作品です。

 ◇

っと、頑張ってカッコよくレビューしてみましたが、結局のところ
「とにかくとにかく面白い!」時間をかけて1話1話を丁寧に読んでみて!です。(私の語彙力汗



★★★ Excellent!!!

物語の根底には仏教の思想がありますが、堅苦しさや宗教を押しつけるような空気は一切ありません。それどころか、読む物をふわりと包み込むような包容力があります。

舞台は極楽の荘厳という場所。極楽ではありますが、インドのカースト制度を彷彿とさせる階級差別が存在します。そんな世界にある僧伽藍摩と呼ばれる僧院で、修行僧の少年少女が出会い、友情を育むところから物語は始まります。

美しい僧院での日常を丁寧に描きながら、折り重なるように紡がれる謎。ライバルとの衝突と生まれる友情、育ち行く恋心。登場人物それぞれを愛おしむように綴られるエピソード達。

儚いせせらぎのような物語が集まり、やがて大河の流れとなる予感がします。
そう、物語はまだ始まったばかり。

この世の理想郷の謎を解く旅にともに向かいませんか?

★★★ Excellent!!!

 極楽浄土が舞台となる作品でして、古代インドのファンタジーと言った方がしっくりくると思います。私も「仏教」、「仏教哲学」は好きでして、結構、仏教もののレビューを書いていますが、これは、いままでレビューをつけてきた「仏教小説」とは「ちょっと違う」読み味の作品になりますね。

 普通、この手の話って「荘厳」な雰囲気で展開されるのですが「読み味」が凄く軽いのです。なので、仏教に興味がない人が読むと「仏教世界」が「ファンタジー世界」の設定のように、頭に入るような文章構成になってます。

 また、この世界観なのに「恋愛小説」なんですよね。うーん、これ「仏教世界」とかに興味がない人でも、自然と「その世界」が理解できるような工夫なのか、ととても感心したのを覚えていますし、とても新鮮な感覚でした。

 さて、この物語を読み終わった特典ですが、多分「仏教哲学」の一部が自然に身についているんじゃないかと思います。ごめんなさい、私はここに書いてあることは知識として知っていたものが多いので「思います」という表現になっちゃってます。

 たぶん、これ、皆様がこれを読み終わった後、お経とか読むと「あれ?なんだかわかる気がする」みたいな世界が広がってると思うんですよね。ほんと「不思議」な世界観をもつ物語です。

 ということで、こんな「不思議な恋愛小説」。手に取って読んでみませんか?

★★★ Excellent!!!

中華ファンタジータグがついていますが、後宮モノなどではありません。仏教的世界観に裏打ちされた荘重な物語世界が広がっています。
描写も丁寧なので、美しい東洋風ファンタジーが好きな方にはぜひおすすめしたいです。

仏教世界にはなじみがないと思われる方もいらっしゃるでしょうが、作者様は見識の浅い読者も救済すべく、たくさんルビを振って、見慣れない仏教用語もすべて懇切丁寧に解説してくださいます。

登場人物の名前も章の初めだけとかではなく毎回ルビを振って下さり、ありがたいです。作者様の丁寧な執筆姿勢には頭が下がります。
人物名に使われている漢字も、サンスクリット語を音訳するときに当てられたような漢字が使われており、すごく趣があります。固有名詞だけでも世界観が広がります。

設定は綿密に練られていますが、そこに登場するキャラクターたちは、個性豊かで無邪気な少年少女たち。みずみずしい感性を持った彼らが、読者と共に世界の謎に迫っていきます。
ぜひ唯一無二の作品世界に飛び込んでみてください!

★★★ Excellent!!!

 極楽の荘厳という大陸のお話です。

 極楽という事で、仏教的な言葉が出てきますが、皆さんが書いてらっしゃる通り、作者様の素敵なルビで、難しい言葉もわかりやすいです。

 そして、この極楽の荘厳。極楽というだけあって、心安らげますが、やはりそれだけでなく、難しい事もあり。ここで過ごしていくのは、幸せだけど大変そうだなーと思いました。

 そんな謎めいた美しく儚い大陸のお話を、皆さんもぜひ!

★★★ Excellent!!!

物語の舞台は極楽の荘厳。
この大陸は如何にして生まれたのか? 他の地界や外界との関係性は?

数千年前、もしくは数億年前になにが起きたというのか?

その全ては、ある人物が残した備忘録から始まった……。

記された文字を解読していく度に紐解かれていく真実とは?

しっかりと創り込まれた世界観と、中華ファンタジー独特の戦闘シーンなど、迫力があって素晴らしいです。

まだ第一章で、これから中華ファンタジー読んでみようという方にピッタリの作品です♪

五部作ということもあり、壮大な物語の予感が・・・!

中華ファンタジーって名前読めないよね、なんて方でも大丈夫。ちゃんとルビがふられてます。
初心者でも上級者でも楽しめる作品なので、オススメです。

まずは一話を読んでみてください!



★★★ Excellent!!!

設定を盛りに盛り、順番に皿ごと出していくスタイル。
私は嫌いじゃないです。文字の壁は人を選びますが、この作品の読み方を覚えるとある種心地よいリズムがあります。

遍く人々に慈悲をもたらすべく高位の僧を目指し修行を重ねる少年少女たちのお話です。
他の方のレビューでも記載がありましたが『西遊記』で天竺を目指すのと似た雰囲気があります。
しかし、物語は作者さん曰く、中華風現代ファンタジー。現在の18話時点では中華風中華ファンタジーにしか見えないですが……現代要素がこれから入ってくるのかな?(現代日本の意。現代中華ということであれば申し訳ありません)

ともあれ文体や設定、雰囲気から長い旅の始まりを想起するオリエンタルな第一章。
少しかじってみるのも一興かと思います。

★★★ Excellent!!!

ルビの使い方が印象的です。
本名に対して説明的な名前をルビるので、視線がブレずにすらすら読めます!
補足的に書いてあるよりも一目で視覚的に見えるため、迷う事がありません。

「位」についてもよくあるF~Sとかでないため、初見でどのくらいかと気になりつつ進めるとすらすらと説明が入っており、ノイズになることがない自然な文章で説得力を持っています。

また、登場人物たちが和名でもなく横文字でもないので、新鮮でありながらもなつかしさを感じることができました。
名前について何か深い意味があるかまでは、私では理解できていないのですが、名前が短いわけでもないのに、語呂が良いのでとても覚えやすいことに驚きました。
語呂が印象的なので、読んでいて忘れにくいのかも・・・

設定は違いますがいわゆる「水滸伝」や「西遊記」などの中国伝記を読んでいるようで、中国的な設定の物語は他にもありますが、ここまで丁寧に描かれている作品はそうないと思います。

まだ読み進めている最中なのですが、勢いではなく、綿密な描写と考えられた設定に今後も期待を込めて★レビューしてしまいました!