ずっと、ずっと……私の傍にいて欲しかった……。ただ、それだけなのに……
この物語は、恋する太師と天女の2人が共に歩んできた旅の物語である。
御霊の想いは惹かれ逢い、遥か久遠の彼方から訪れる。
愛し合う心情は、時には切なく悲しくて。
やがて恋慕の情は、二人の時を繋ぎゆく。
これは、そんな儚く心憂い2人の物語である。
けれど。
もしかしたら、貴方の物語かも知れない………………。
さぁ、いざ共にゆきましょう――。
疲れた心を癒やし、この哀しみに満ちた世を忘れるために……。
そして、これを読み少しでも何かを感じてくれたなら、貴方が想う人へ優しき気持ちを差し伸べて欲しい。
この世に、希望はないかも知れない。あるのは格差の社会だけ。
裕福な者だけが、私腹を肥やし存続できる世界。
人は常に羨み嫉み、周りの言葉に流されるもの。
そして理解得ないまま蔑み虐げる。だから争いが絶えないのかも知れない。
さりとて、希望を失ってはいけない。
どうしようもない世だからこそ、叶えられるものがあるんじゃなかろうか。
優しき想いを後世へ伝えたいと願う気持ちが……。
それは誰もが持ち得た想い、慌ただしい時の中、今は気づいていないだけ。
辛く苦しい世の中だからこそ、努々忘れること勿れ。
その想いがあれば、いつの日か貴方の望む未来が必ずや訪れると信じて。
共に生まれた魂ならば、諦めず今世を見守り生きてゆきましょう。
――この小説の簡単な説明書――
物語の舞台である極楽の荘厳。
この大陸は如何にして生まれたのか? 他の地界や外界との関係性は?
そんな謎に包まれた大陸であり、なくてはならない存在。
数千年前、もしくは数億年前になにが起きたというのか?
その全ては、ある人物が残した備忘録から始まった……。
1つ1つに記された文字を解読していく度に、突きつけられる真実。
心安らぐ大陸でありながら、儚く切ない極楽の荘厳と呼ばれた理想郷。
真実を理解するには、文字を解読する必要がある。
読み解くには数年の時が必要かも知れない。
備忘録という古文書に記されていた謎とは……。
こうした5章に纏められた構成。それは【五天の物語】。
*1章 生天編【この世に理想郷が生まれた由縁】
*2章 世天編【人々と共にあり続ける極楽の荘厳】
*3章 浄天編【失われた時を願う寂静な孤独】
*4章 義天編【心の拠り所、信じたが故の悲しき想い】
*5章 義天完結編【真理とは何か、明かされる秘められた真実】
そして、メッセージを記した4つの物語。つまりは三世物語。
『現世の恋』
『両親の恋』
『千年前の恋』
『未来の恋』
そんな切なく心憂い恋愛を大前提とした、中華風現代ファンタジーです。
よろしくお願いします。