第11話 別れ
「梅」の妊娠がわかる前、
私は人生で初めて家族との別れを経験することになった
それはまだ私が小学校低学年だった頃だと思う
夏休みに従姉妹と母と大分旅行に行っていた時のことだ
2泊3日の旅行最終日、地獄めぐりやドクターフィッシュの店など
色々な店に寄り、家へ帰ろうとしていた時
当時祖父と一緒に住んでいた叔父から母に電話がかかってきた
母が電話を切ると、一呼吸置いて私に
「かぼちゃが死んだらしい」と告げた
私は母の言葉に理解が追いつかなかった
聞き間違いではないかと自分で祖父に電話をかけた
「かぼちゃが死んだって本当なの?」
「あぁ、ここ数日ぐったりして
ご飯も食べてなかったから、恐らく熱中症だろう」
私は電話を切り、泣き崩れた
隣に座っていた従姉妹から背中を摩られながら急いで家に帰った
居間に行くと、そこには氷と一緒に段ボールに詰められた「かぼちゃ」がいた
一見眠っているように見え、撫でると固く冷たかった
堪えていた涙がまた流れてきたのがわかった
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