第七章 第29話 再会
八乙女たちが
学校をただ一人で
つい先日
そのため、迷いに迷って
「
山吹は恐る恐る、宿屋の
彼女としては、ちょっと気まずいものがあるのだ。
何しろ
それでも山吹がここを目指したのは、八乙女と瑠奈がしばらくここに
少なくとも代官屋敷ではないと彼女は思った。
――受付には、誰も居なかった。
目の前の
山吹がそれを軽く振ると、
「
しばらくして、サブリナが駆け込んできた。
見知った顔を見て、ほっとする山吹。
ところが、山吹の顔を見たサブリナ――リィナは
(やっぱり、星祭りの
山吹は肩を落とす。
とは言え、八乙女たちのことを聞かないわけにもいかない。
「リィナ、あの……八乙女さんたち、いる?」
「……りょーすけとるぅな、ここ、いない」
「えっ!?」
そもそもの話、星祭りの事件の
だから、彼女は山吹に対して
リィナの様子が変なのは乱闘事件などとは関係なく、もちろん昨夜の襲撃事件のことがあるからだ。
あの
店内は荒らされ、客室の天窓も
衛士がどやどややって来て、あれこれ聞かれて大変だった。
それなのに理由も分からないまま、八乙女たちはあっという間にいなくなるし、後始末やら何やらは大変だったしで、リィナとしては非常に不満だったのだ。
そこへ山吹がやってきた。
「いないって……ここには来ていないってことなの?」
リィナは首を横に振った。
「りょーすけとるぅな、きた、きのう」
どういうことかしら……と山吹は首を
来たけどいないって、どこかに出掛けてるとか、そう言うことなんだろうか。
「ごめんねリィナ。私、よく分からないの。どういうことなのか、教えてほしい」
「りょーすけとるぅな、きのう、きた、よ。でも、よる、へんなおとこたち、ふたりを……ザルトス、する、した」
「ザルトス?」
「ん~~」
リィナは
しかしこんなことは、外交班の活動の中では当たり前のようにあったことだ。
山吹は「ザルトス」の正確な意味は
「りょーすけとるぅな、を、マルグレーテ、たすけた。それから、カーロ――ばしゃのって、いった。いってしまった。もう、こない……」
そう言うと、リィナの顔がくしゃりと
目の
(え……ちょっと、話が全然分からない。どうしてリィナが泣くの?)
りぃなが
目をくしくしと
しかし、どうやら目当ての二人は
「リィナ、八乙女さんたち、どこに行ったのか分かる?」
「……わからない」
――
途方に暮れた山吹は、その場に座り込んでしまった。
その時――
「
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