第七章 第08話 アウレリィナの懇願
――グレゴリオ暦20XX年 四月六日 金曜日
――八乙女、療養四日目
―2―
◇
アウレリィナ・アルヴェール・ヴァルクスは、
※※※
時は二日ほど
つまりは、
「アウレリィナ様、
「ああ」
アウレリィナ――エリィナは
「ここでの生活にも
「まさか乱闘騒ぎを起こされるとはな。私としたことが少し油断していた」
「
「そうかも知れんがな、グレーテよ」
小さく一つ、
「結局ピケまで往復せねばならなくなった。やってくれる」
「しかし
「
もし
「それにしても、
「
「しかし、もう一人は」
「そうだ」
エリィナは、何度か
「
「はっ」
「しかし……全く
「そのようです」
「以前、彼らの本拠地に
「彼なりの
「であろうな」
そして、
先に口を開いたのは、マルグレーテだった。
「アウレリィナ様、オズワルコスの件ですが」
「うむ」
「動き始めたようです」
「……」
何かを考える様子のエリィナに、マルグレーテは言葉を続ける。
「
「誰だ?」
「かがみ・りゅうのすけです」
「かがみ……よりにもよってあの男か」
エリィナがぶつぶつと何かを
マルグレーテは、
数分ほど
「グレーテ、頼みがある」
「はっ、何なりと」
「しばらくの間、オズワルコスに
「承知いたしました」
「私の予想では、それほど長期に渡ることはない。長くて
「はっ。配下の者を何名か配置し直します」
「うむ……いつか、こういう
小さく頭を振りながら、エリィナは言った。
「彼らの本拠地の様子や、そこで見た不思議な動く
「はい。
普通の多面指しと違うのは、全員が同じ巨大な
その点において
「リューグラム
「では、まずはオズワルコスたちに集中、ということで」
「ああ。奴らの背後には
「それにしても……
「あの者たちの
「そこで学ぶ
「もちろん油断は
エリィナが足を組みなおして言う。
「考えてみるがいい。そもそも
「はい」
「
「なるほど……
「さて」
エリィナは寝台から立ち上がった。
「少々
「私は
「そうか。いつものように現場での判断は
「お任せください。それでは」
マルグレーテはゆったりと頭を下げると、静かに部屋を出て行った。
ぱたりと
※※※
エリィナは立ち上がり、
夜空の下に浮かぶザハドの街並みを見つめ、思わず心の
(どうか早く――早くお目覚めになってください……)
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