第七章 第07話 サブリナの願い
――グレゴリオ暦20XX年 四月六日 金曜日
――八乙女、療養四日目
―1―
◇
私は今、
手には
目的地は――りょーすけの
リッカさんに案内してもらって、向かっている途中。
本当はもっと早く来たかったけど、りょーすけの様子がよく分からないからって
それを聞いて私は、お見舞い用の
一応、私の
――それにしても、こないだは本当にびっくりした。
まさかりょーすけが
殴ったのが仲間の人だったなんて。
そして、まさかそれが
何がどうなってそんなことになったのか、
殴った男の人が何か
一つだけ聞いたのが、その場にはずみがいたってこと。
あの人も、今回の騒ぎに関係してるのかな。
だとしたら、何かちょっとだけ責任を感じてしまう。
だって……私とめいが「
結局めいの
りょーすけに確かめて、
リッカさんの足が、一つの
「こちらがそうです。少々お待ちください」
そう言うと、リッカさんはこんこんこん、と扉を三度ゆっくりと
「はーい、じゃない……ヤァ!」
すると室内から、聞きなれた声が響いてきた。
「
「えーと、
☆
「
「
「
元気そうでよかった。
でも……
もう三日も経ってるのに。
いろいろと聞いてみたいことはあるけど、普通に話すのはなかなか大変だし、上手く伝わらないのも
最初はものすごく抵抗があったけど……使ってみたらやっぱり便利。
私は、
(え、これ使うのか? リィナ)
(うん。そのほうがはなしやすいでしょ?)
(そりゃそうだけどさ……子どもはあんまり使わない方がいいんじゃないのか?)
(
(まあ……その通りだし、俺としても助かる。シーラはどうするの?)
(もちろん、シーラもだよ)
シーラとも
りょーすけとシーラも繋がった……かな?
(シーラ、きこえるー?)
(うん。りょーすけー、あたしのこえは?)
(聞こえる聞こえる。三人とも繋がったな)
(なんか……まだあたし、ちょっとていこうあんのよね、これ)
(りょーすけたちとはなすときだけだから、よしとしよ?)
(うん)
(それで? わざわざ
(おおありだよ! なんでこんなことになっちゃってるのよ!)
(う……)
(あたしもしりたいなー)
(参ったな……)
☆
(なにそれ! わたしちょっと、ゆるせないんだけど!)
(あたしもー)
りょーすけから当時の話を聞いた。
そのみぶーって
(りょーすけも、なんでやりかえさなかったのよ)
(そーだそーだ)
(そんなこと言われても……)
りょーすけから、何とも言えない
何だろ、これ。
上手く
(いろいろあるんだよ、大人はさ)
(あんまりこどもあつかい、しないでよね)
(いや、子どもだろ?)
(そうだけど!)
(まあ一緒に怒ってくれたことには感謝するよ。でも、いろいろ複雑で面倒な話だから、あとは俺たち大人に
(ふうん……)
って言うか、元々私たちが首を
それよりも――
(じゃあそれはそれとして、いつもの
(あれ、とは?)
(
(どうするって……あ、そうか。次の集まりの日時、決めてなかったな)
で、終わる時に次の日時を調整して決めるのだ。
正直、猟師小屋まで移動するのは結構な手間。
時間もかかるしね。
でも、その分の
知らない
シーラだって
だから、もしなくなっちゃうとしたら、ちょっと――いや、かなり残念なのだ。
(別に俺がいなくても出来るだろうけど……今決めても、学校の方に連絡するのが難しいか)
(そうね)
(そうだな……じゃあ今日から
(十日後ってことは……
(うん、いいよー。先生にも教えてあげないとね)
(そうね。まだ
(うん)
☆
それからしばらく、あれこれといろんな話をして、私たちは部屋を出た。
途中でお
その時に、りょーすけが話してくれた彼の世界のいろんなお菓子の話……リッカさんまでかぶりつきで聞いてた。
私は、りょーすけの「
あんな
それなのに、りょーすけってば、あいすくりーむより美味しいものが数えきれないくらいあるって言ってた。
本当かな。
本当なら、食べてみたい。
美味しいものだけじゃなくて、不思議な動く
りょーすけたちは帰る方法を探してるって言ってたけど……私も出来ることなら、ついて行きたい。
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