第三章 邂逅
第三章 第01話 サブリナ・サリエール
カーン……カーン……カーン……カーン…………
「
すきっ腹を押さえながら、私は
「何です、はしたない。
「お客さんなんて今いないじゃない。いつものことだし」
「
ここは、この
私はそこの一人娘のサブリナ。
みんなはリィナって呼んでる。
濃い目の
おしゃれはしたいけど……動きにくいのは嫌だから。
いつも
だからこうして
店番と言っても、普通は午前中からお客さんが来ることはあまりない。
ここザハドは、
だから
町の大きさは――どうなんだろ。
他のところに行ったことがないから、私にはよく分からない。
「
「あ、
あー、お客さんが来ちゃった。
先にお昼ごはん食べたかったんだけど、しょうがないか。
――大抵の宿屋と同じように、うちも
っていうか、そっちの方がよっぽど
宿屋のお客さんもそこそこ来てくれるけどさ。
そう言えば、こないだから
「おう、
「
次から次へとお客さんが入ってくる。
私の仕事は、
厨房の中では
「リィナちゃん、
「
「リィナ、
「
「リィナちゃん、
「はいはいはい」
「リィナちゃん!」
「はいはい、
「リィナちゃんこっち!」
「はーい、今行きまーす!」
――――――――
――――
――
「――はあ、疲れた……」
さっき、
私は今、
あれだけいたお客さんたちもすっかり
「大丈夫? リィナ」
――私のちょうど向かいで、
その
ドルシラ・ギール――シーラとは、学舎で知り合った。
学舎に通う子どもの年はいろいろだけど、あの子は私と同じ十一歳。
前髪は
瞳は私と同じ
「もうダメ……寝たい」
「ま、いつものことよね」
「ひどいよ、シーラ……」
私が
「お疲れとは思うけど、早く
「むう……」
確かに
「もぐもぐ……で、
「うん、そうなんだけどね、今日は何だかお客がついたらしくてさ」
「お客?」
「そ。ほら、ちょっと前に
「ああ……あの人たちね」
私は数日前からうちに
受付はお母さんがしたから詳しいことはよく知らないけど、一人はうちに手伝いに来てるセリカ
もう一人は多分、
この人も似たような感じじゃないかな、年。
あとは全然分からない。
夜になって戻ってきた時ぐらいしか顔を合わせないんだもん。
「それでその人たちが、何の用で?」
「そりゃあうちの
「そうだけど、だから何の用事でってこと」
「さあ。あたしは何も聞かされてないから」
ドルシラの
ただ、
シーラたちみたいな
「そうね。でも普通に連れ立って出かけていったから、許可は
「なるほど。じゃあそれはいいとして、あんたは何でうちに?」
「お昼ごはんを食べにだよ。あと、遊ぼ?」
「いいけど」
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