第310話 天使と悪魔

男はいつも神に祈りを捧げていた。

自分に厳しく、いつも自分が正しいと思うことを貫いて生きてきた。

男は正しく生きている自分を誇りに思っている。

 

そんなあるとき、男は猛獣に襲われ、瀕死の重傷を負った。

意識が朦朧とする中、男の目の前に天使と悪魔が現れる。

 

天使と悪魔は男に囁く。

 

「助けてあげましょう」と。

 

当然、男は悪魔に立ち去るように言い、天使に助けを乞うた。

 

男の魂は抜き取られ、身体は猛獣に食われてしまう。

 

そして、男の魂は地獄へと落とされた。

 

終わり。













■解説

男のしてきたことは、『人間』として見た場合は正しかったのかもしれない。

だが、人間が正しいと思うことが天使にとって正しいとは限らない。

人間は生まれながらに罪を背負っているという考え方もある。

天使にとって人間は害悪と思われ、地獄へと落とされてしまったのかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る