第112話 不法投棄

電化製品にリサイクル料が発生するようになってから、その山に不法廃棄をする人間が増えてきた。

 

捨てられるものは冷蔵庫や洗濯機などの大型なものから、時計やミキサーなどの小型なものまで様々だ。

だが、こんな不法地帯にも、暗黙のルールがある。

 

それは機械類以外を捨てないということだ。

 

つまり生ごみやプラスチック、木材などの機械ではないものを捨ててはいけないというルールである。

 

このルールがいつできたかはわからないが、この場所を知っている人間は絶対的な暗黙のルールとして厳守してきた。

そして、そのルールをいまだに破った人間はいなかった。

 

しかし、そんなある日、ある男が深夜にこっそりとやってきて、この場所に冷蔵庫を捨て、逃げるようにして帰っていった。

 

数日後、男は変死体として発見された。

その男の胸には大きく、罰という文字が刻まれていたのだった。

 

終わり。













■解説

が捨てた冷蔵庫の中に、機械ではないものが入っていたため、見せしめとして殺されてしまった。

男は深夜にこそこそと捨てたところから、冷蔵庫に入っていたのは見つかってはいけないもの、もしかすると死体なのかもしれない。

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