第111話 パスポート

男は酔っぱらっていた。

 

千鳥足で歩いていると、あるカップルにぶつかった。

男は激怒し、男をボコボコに殴り倒す。

 

しかし、ボコボコに殴り倒した際に、相手の男は打ち所が悪く、死んでしまった。

 

慌ててその場から逃げたが、すぐに指名手配されてしまう。

このままでは捕まってしまう。

 

そう考えた男は知り合いの闇医者のところへ行き、整形をした。

 

これでしばらくは大丈夫だろうと思っていたが、どうやら殺してしまった相手は警察の関係者らしく、捜査は大規模に行われている。

 

そこで男は国外へ逃げることにした。

他人の戸籍を買い、パスポートを用意しようとしたが、整形でお金を使ってしまい、手元にはほとんどお金が残っていなかった。

 

ブローカーに一番安いものでいいから、なんとか譲ってほしいと頼み込む。

 

するとブローカーは破格の値段のものを提示してきた。

どうせ、飛行機に乗るために使うだけだと考え、男はその戸籍を買い、パスポートを作った。

 

そして、飛行機に乗ろうとしたときだった。

 

男は捕まり、そして、死刑になった。

 

終わり。













■解説

男は連続殺人犯の戸籍を買ってしまった。

つまり、自分が犯した罪よりも重い人間に成りすましてしまったのだ。

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