第54話 薬師育成19 研修本番 / 後半戦6 最終パート3
そして、実習3(実習2も同時実施)を始めて1週間が経過した。
その間、実習3を実施している19名の中から、魔力操作スキルLv4に上がった者が1人出た。更にLv3になった者が5人出て8人となり、Lv2の13人、Lv1の2人と併せて24人となっている。
また、実習2で足踏みしていたLv2の3人も課題をクリア出来た段階で実習3に編入の上でスタートしており、現状で実習3の実習班は2人1組編成で11組22人が実習に勤しんでいる。
残念な事に、Lv1の2人については足踏み状態だ。
かわいそうではあるのだが、実習2クリアに必要とされる魔力操作を安定して実施出来ない状況で、実習3を強行すれば失敗は見えている。しかも実習3で取り扱う魔草類は、人の生殖能力に影響(ダメージ)を与える可能性が大きく、今後の人生設計に少し捻った感じの大きな影響を与えかねない。
それを承知で強硬させる事は流石に出来ないと判断し、実習2での魔力操作(魔力投射)が安定してできる様になるのを待てをかけている状態だ。
この辺はの対応については、当人たちとも面談の上で、依頼元と相談だな。
研修の経過報告は、契約に基づいて週1で毎週行っている。
薬師スキルの生える可能性のありそうな見込みの実習生は、このまま順調に進めば最大で22人、少ない場合で10人程度になる可能性が高いと言う見込みも報告している。
正直、農民スキルに関しては、《ダンぶら》での嵩増し(魔物討伐による魔素吸収)が期待出来ない以上、時間がかかるのはどうにもならない訳で、どうやっても半年でどうにかなる訳では無い。
そんな感じで、調整を挟みつつ、実習を進めて行くのだが…
スキルと言うのは、ある意味残酷なもので、素質が無ければほぼ生えてくれないし、生えたとしても素質が低ければ伸ばすのにすごく苦労する事になる。(妻の苦労し具合を見ているとつくづくそう思う。)
こればかりは持って生まれた素質と、これまでの人生の来し方でどれだけ資質を育て得たかの話になるので、その半生を確認する事である程度は類推する事は出来るし、それに基づいて育成の方向性を決める事も出来るのだが、何分蓄積されたデータが少なすぎて確実を期す事までは出来ない。
今の段階でその辺をある程度以上確実と言える範囲で確認できるデータは、俺自身と妻の分のそれしかない。
現状で、研修生達については、それなりに詳しい半生の情報提供を当人達並びに企業側に頼んでいて、それなりのものを提出されているがが、その情報の確実性については確認のしようが無いし強要出来るものでも無いのいで、ある程度割り引いて判断せざるを得ない。
うちの新人に関しても、それなりの情報は提出してもらったが、何分、今の時点で、入社して未だ2か月ちょっと、平日は毎日の様にダンジョンに入って仕事をこなしながら経験を積んで、ようやく探索者スキルが生えた。
ただ、元々身体強化系への適性が微妙な感じの奴なので、もう暫くの間はこのまま研修を継続して、適性を見極めた上で伸ばす事の出来る方向で色々やってもらおうと考えている状況であり、情報の蓄積と言う意味では研修生達より更に微妙なデータしか得られていない。
そんなこんなで、またまた1週間が過ぎた。
魔法操作スキルがLv4とLv3の9人についてはかなり良い感じに仕上がってきている。
完璧とは言わないが、Lv4の1人はぼ完璧に仕上がっているし、Lv3の8人もあと1週間もこなせば実習3の課題は完璧にこなせるだろう。
Lv2の13人については、約半分の6人のスキルLvが上がってLv3になった。また、あと1週間もこなせば実習3で必要とされるクラスで魔力操作位が安定するだろう。残りの7人はもう少し魔力操作を習熟度を高めないと難しいかもしれない。
一応、来週から座学4:製薬1+実習4:製薬1(下処理)が始まる予定であるが…
現状で、座学は兎も角、安心して実習可能なのは、15人…9人ほどか?!
来週1週間実習3を延長する事で20人…、最低でも15人は実習6をある程度安心して受講させる事が出来る程度に育てる事ができる可能性がある。
残りのLv2の7人に関しては微妙な感じだな。恐らく実習の最終工程:実習6での丸1日以上の長時間にわたって出力調整を加えつつ魔力投射を行って、薬効成分の調整を行うには魔力操作の実力が足りない感じだ。
その辺の状況を含めて依頼元とスケジュールの要調整だな。
このままだと、実習6で安心して実習を出来るメンバーが半数を割り込む事は無いだろうが2/3(20人)を割り込む可能性がある。
単純に契約通り、誰かにスキルを生やす事だけを目的とするなら、それでも問題は無いんだろうが、未完成である事を承知で実習を終わらせて未完成品を引き渡す事に、忸怩たる思いを持つ部分がある。
あくまでも俺の個人的な感傷なのかも逸れないが…
…仕方が無い。このままじゃ半端過ぎる。研修期間を1か月位伸ばす方向で調整しよう。そうすれば、薬師コースである程度期待のできる22人、出来る事ならギリギリでもきっちり拾った上で伸ばせる技能は伸ばしてやりたいものだ。
………
依頼元との協議はなかなか時間のかかる疲れるものになった。
現状については毎週ある程度詳しくレポートしているので今更だが、このまま予定通り研修を実施した場合のスキルの習得見込みと実際の習熟具合などを個別グラフで確認してもらいながら、どの程度延長したらどのくらい伸びるのか等の予測を交えての交渉となり、最終的に実習3を1週間延長し、後は実習の進捗具合に合わせて最大で1か月延長出来る約束で決着した。
また、この延長によって出来た余裕を考慮して実習班の組み分けを1組3人制にして、魔力操作の得意なメンバーとそこそこ出来るメンバー、苦手なメンバーの組み合わせ編成する事になった。
具体的には、魔力操作の習熟順で上から8人毎に区切って3グループを編成し、それぞれの組ごとで抽選した番号が同じ者同士が同じ組になる組み分けとした。
この編成にする事で、万が一得意組のメンバーが感覚派で説明が上手く出来なくて、苦手組のメンバーが説明を理解出来ない場合でも、それなりに苦労をしてスキルを育てた経験者がいれば、良い説明役になってもらえる考えたからだ。
さあ、後1月半、もとい月半、ガンバろう!
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こんなヨタ話のネタを信じて使う人は居ないと思いますが、この小説で記述する処方はいい加減です。何となくホントっぽく書いている心算ですが絶対真似しないでね。
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