ボクの名は
深海くじら
副読本【挨拶とあらすじ】(通算250話「百九十六話 笠司、白露(十二)」までのあらすじ)
お初の方ははじめまして、既読の方はあらためまして。
果敢にも、250話超、51万字超(2024年11月末時点)の長編にお寄りくださりありがとうございます。
最初にお伝えしますが、本項は本編とは連続してはおりません。
カクヨムコン10に参加するにあたって、これだけ話数を重ね、尚且つ継続中の連載作など、誰がどう見ても不利です。しかし作者としては愛着があるし早く然るべき結末まで導いてやりたい。また、現代舞台の恋愛モノなどをお好みの方であればきっと刺さるに違いないという根拠の無い自負などもあったりする。
そこでここはひとつ、読んでいただくための施策を行おうではないかという結論に至りました。
本項は、主に初見のご新規さま向けに用意するもので、「本小説の仕組み」「登場人物」および「ここまでのあらすじ」を紹介するものとなっております。
当然のことながらある程度のネタバレは避けられませんし、本編の味わいのひとつでもある「じりじりと進む朝ドラ感」を本項でご堪能いただくこともできません。
本項の目的はただひとつ。まったくのご新規さまが、ここまでの二百数十話を読まずとも概ねの流れを予備知識として携え、今後のリアルタイム連載をお楽しみいただけるようにする。それのみです。
むろんですが、すでに沼にはまっていただけている若干名の読者さまにも、長すぎて忘れてしまったけどどこに書いてあるか思い出せないからスルーしているエピソード等を再確認するツールとしてお使いいただけます。
とまあ前振りはこのくらいにして、本項の主題を始めます。
■本小説の仕組み
(1)令和五年一月一日から同年十二月三十一日までの一年間の物語(カクヨムコン参戦時点で物語時間は令和五年九月十六日)
(2)プロローグのみ令和四年十二月末
(3)一ヶ月ごと(月曜スタート)に章立て(大見出し)され、おおむね時系列どおりに進行する
(4)二十四気節を中央値とする二ないし三週間ごとにまとめられる(小見出し)
(5)ダブル主人公の各々による一人称(プロローグ、小説内小説を除く)
(6)語り手の交替は、サブタイトルの「~話」の後ろにある名前で判別できる(偶数回と奇数回でも判別可能)
(7)本小説には、主人公たちが執筆する物語として「小説内小説」が多数ある
(8)小説内小説は各話のサブタイトルで判別できる
■登場人物
○波照間瑞稀(はてるまみずき)
主人公のひとり。東京都狛江市出身。二十六歳(初出時の年齢。以下同)。福岡市で独居中。実家は福岡県筑紫野市。ルーツは沖縄の八重山諸島にある波照間島で、曾祖母が現役のユタ(沖縄の巫女)をやっている。
全国規模の仏具製造販売店「はしくら」の本社に勤務するOL。物語開始時は営業補佐で、令和五年四月より総務部ブランド推進室のチーフに昇進。
令和四年十二月終盤に、一年半ほど交際していた男性(岡江直人)によって手酷く振られる。
人当たりの良い個人主義者。心の底から誰かを好きになったという経験が無い。人付き合いもわりと表層だが、年末に知り合った年長の女性(山科栄)や新部署の上司(灰田)らに引っ張られ、(九月現在では)かなり自分を出せるようになってきた。
容姿は派手ではないが、素材は良い(涌井談) 長めのボブカット。
令和四年末よりツイッターを新規ではじめ、そのアカウントで年初から小説の連載を開始した。アカウント名は「月波」。
・山科栄(やましなさかえ)
三十八歳、福岡市在住。ミニコミ誌ライター兼バル「パークライフ」のアルバイト店員。知識も社会経験も豊富な活動的女性。酒好き。仕事柄、なんにでも興味を示す傾向がある。趣味のひとつはボルダリングで、瑞稀も引き込んだ。
九州大学出身で、大学時代は一学年上の灰田と四年間交際していた。
会話はすべて鹿児島弁交じりの博多弁。
・灰田光陽(はいだみつる)
四十歳、福岡市在住。仏具製造販売店「はしくら」勤務で前職は大阪の広告代理店営業。当初は総務課長で、令和四年からはブランド推進室の室長。
学生時代つきあっていた山科栄とはお互い結婚を意識していたが、栄の親友(六川翔子)による捨て身の結果、翔子と結婚した経緯がある(平成末頃に離婚して現在はバツイチ独身)。栄とは、翔子を選んだときから以降会っていなかった。
有能。瑞稀曰く「全国にいる中間管理職の中でも、上司にしたい人ランキング百位以内には余裕で入る」レベルの人物。社内女子からも人気が高い。因習に縛られず、前職からの人の繋がりでチームをつくって仕事を進めるタイプ。
・岡江直人
二十六歳。瑞稀の高校の同級生。福岡市在住。高校時代の接点は皆無だったが、令和三年夏に開かれた同窓会で瑞稀を認識し、恋愛手引き書などを駆使して瑞稀を攻略。二ヶ月ほど費やして、恋愛初心者の瑞稀に交際を認めさせた。
蜜月期もあったが、令和四年冒頭に瑞稀が独り暮らしを始めてからは、むしろ関係が薄くなっていた(主に瑞稀側の熱意の無さが理由)。
夏頃から極秘裏に別の女性とも交際を始め、令和五年十二月、瑞稀に見切りをつける。
・水島絵鈴(みずしまえりん) (旧姓:篠原)
二十六歳。瑞稀の高校時代の友人。福岡県古賀市在住。
友人の少なかった瑞稀にとっては一番なんでも話せる友人だったが、令和三年初夏の結婚以来、疎遠になっていた。
同窓会不参加で、瑞稀と岡江直人の交際と破局をその接点も込みでまるごと知らない彼女は、温泉地でたまたま見かけた彼女連れの元クラスメート(岡江)との邂逅を単なる話題として瑞稀に聞かせた。
・涌井瑠璃(わくいるい)、天童桜子(てんどうさくらこ)、水野晶子(みずのあきこ・水晶ちゃん)
はしくら総務部三人娘。四月に異動してきた瑞稀を引き込み、毎週金曜のランチは女子会を行う。
・星野生成(ほしのきせい)
福岡のデザイン会社「ヴィルドシュテルン」の代表。瑞稀が提案した壁掛け型仏壇「オルタペストリー」のデザインを担当。
・六川翔子(むつかわしょうこ)
山科栄の学生時代の親友。神戸市在住。一児の母。実家は資産家。
栄とは対照的な控えめな性格で、栄の恋人だった灰田からは妹扱いをされていたが、自身卒業前の冬に捨て身の勝負を賭け、左脚と引き換えに灰田の妻の座を勝ち取った。以降、栄とは没交渉。
平成最後の年に灰田からの願いを受けて十二年の結婚生活にピリオドを打つ。現在は旧姓(六川)に戻し、息子とともに神戸の実家に住む。
・波照間トキ(はてるまとき)
瑞稀の祖母。七十四歳。東京都狛江市で娘一家(鈴木家)と同居している。
毎日10キロ歩くと言う。
・波照間トワ(はてるまとわ)
瑞稀の曽祖母。もうじき百歳。波照間島在住。現役のユタ。
○皆川笠司(みながわりゅうじ)
主人公のひとり。横浜市出身で実家も横浜。二十三歳。在住は岩手県杜陸(もりおか)市→東京都品川区戸越。当初は駅弁大学四年生(一浪)で、四月からは装飾イベント制作会社「エムディスプレイ」に入社。業務管理を担当。高校一年時に一瞬だけ彼女がいた時期があったがすぐふられ、以降いまに至るまで彼女無し。童貞。
中学時代から一年上の先輩(鷹宮皐月)に恋慕しており、高校時代には良い雰囲気になったこともあった。が、大学時代初期の帰省の際に恋人らしき男と一緒にいた皐月を目撃して諦める。以降も、胸のうちには常に皐月の存在があり続ける。
真面目で仕事もしっかりこなすが、性格的には不器用で貧乏くじを引きがち。今風では無く若干旧い貞操観念を己に課している傾向が強い。
令和四年末より創作用にツイッターを新規ではじめ、そのアカウントで年初から小説の連載を開始した。アカウント名は「笠地蔵六」。
・鷹宮皐月(たかみやさつき)
笠司が十年間変わらず恋慕し続けていた中学時代の先輩。二十四歳。横浜市在住で都内勤務のOL。
黒髪セミロングの清楚系美人。引く手は数多だったが男性を苦手としていたため、高校時代の笠司との一回のデートが二十歳までで唯一の交際記録。
短大一年で入会したインカレで知り合った毛色のよろしい慶大生(各務暁)からゆっくりとした好意を持たれ、短大二年の終盤から交際を始める。各務が院生だった二年間の半同棲期を含め四年間つきあって将来を考えていたが、各務側の事情で別れることになった。一年間の雌伏期間を経て令和五年四月からは新しい人生をはじめようと決断した。
・御嶽信乃(みたけしのぶ)
菱沼装美の事務社員。岩手県上閉伊郡宮守村(現在の宮守町)出身。二十二歳。四歳の子持ちシンママ。杜陸市仙北町で母親と三人暮らし。
花巻の進学校に入学後、近隣の私立高校野球部員と交際を始め妊娠。高校は一年で退学し、認知されないまま出産。手切れ金が入ったところから父親がおかしくなり両親が離婚。追われるように杜陸に移る。
遠縁の菱沼貢の援助で、住居、母親の就職先、通信高校への進学、菱沼装美への就職まできた。
笑えば充分可愛いのだが、感情を表に出さない性格なので地味に暮らしている。
菱沼が彼氏候補として長期アルバイトさせている笠司のことが気になっているのだが、ことさら冷たく当たってしまう。笠司卒業間近のバレンタインで本気チョコを用意した。
・葵日葵(あおいひまり)
装飾業界の大手、ムラモト工芸の新人社員。二十二歳。横浜市在住。
新人研修で再会した笠司の高校の後輩(高校時代の接点は微少)
高校時代に友人同士ではじめたゲームのこともあり、笠司のことは好感を持っていた。再会時点で異性との交際歴はゼロ。
・笘篠衿香(とましのえりか)
エムディスプレイ御用達のフリーMC。永遠の二十四歳(三十歳超は確実)。東京都在住(詳細不明)
事務所所属のグラドルだったがしゃべりがしたくて独立してMCになった。
ロックヴォーカリストにもなりたかったらしい。
特定の彼氏はいないようだが、生活はかなり奔放。
・皆川龍児(みながわりょうじ)
笠司の二卵性双生児の弟。横浜市出身。東京都台東区谷中在住。笠司の完全上位互換で現在は東大大学院所属。小学校二年末に遭った笠司の交通事故による入院以降差がつきはじめ、高校入学時に進路の差分が明確になった。
運動もできて性格も社交的なため、小学校高学年から女子に人気がありよくモテた。中学半ば以降彼女が途切れたことが無かったが、どれも長続きはしなかった。しかし、一番新しい今の彼女(野澤さわ)とは二年目に入っており同棲中。
・野澤さわ(のざわさわ)
龍児の彼女で現在同棲中。二十歳。千葉県銚子市出身。看護学校二年。
明るく物怖じしない性格。自転車で通学するなど、運動も得意そう。
同棲している理由も四六時中一緒にいたいとかではなく、通学が便利だから。
けっこう甲斐甲斐しいところもある。
・鍛冶ヶ谷敦(かじがやじゅん)
笠司が所属する大学サークル(SFFL・SF&ファンタジー研究会)の先輩。杜陸市在住。市内小学校の教師。幼女陵辱SMがテーマの鬼畜マンガを描く同人作家。
教師とは思えない破戒趣味の持ち主だが、平衡感覚は抜群。歯に衣着せない言動は、しばしば笠司の心の支えとなる。
通称「カジ先生」
・正親充(まさちかみつる)
笠司が所属する大学サークル(SFFL)の後輩。函館市出身で杜陸市在住。口調はぞんざいだが気遣いのできる青年。
通称「さっちー」
・辻悟史(つじさとふみ)、長田大輔(おさだだいすけ・ダダ)
笠司が所属する大学サークル(SFFL)の同期。
・原町田由香里(はらまちだゆかり・ゆかりん)
笠司と同じゼミの同期。二十二歳。杜陸市在住。彼氏持ち。
岩手銀行に内定→無事就職。明るく活発で有能だが、独りよがりな側面あり。
・菱沼貢(ひしぬまみつぐ)
菱沼装美の社長。元はムラモト工芸社員で風見の先輩。エムディスプレイの永野や中込も知っている。人情家。風見に笠司を紹介し、就職を斡旋した。
・菅原敏也(すがはらとしや)
菱沼装美の専務。いい加減な性格。酒好き。ギャンブル好き。奥さんと別居中。
・入来(いりき)
入来不動産(ハイライフエステート)の社長。埼玉出身。品川区在住。御嶽信乃の従兄。信乃の紹介で笠司の戸越のアパートを仲介した。
・風間幸四郎(かざみこうしろう)
装飾、施設制作の国内最大手ムラモト工芸の業務部長。
とにかく切れて、世渡りもうまい。菱沼がムラモトに在籍していた頃の直属の後輩。
・永野(ながの)
エムディスプレイの社長。
人当たりは極めていいが、眼光は鋭い。
・中込三太(なかごみさんた)
エムディスプレイの業務管理部長。創業初期からの古株。酒好きで常識はずれだが、仕事はできるし人望もある。
通勤電車が嫌すぎて、社屋の屋上に建てさせた倉庫のような部屋で寝泊まりしている。
・森下(もりした)
エムディスプレイの社員。係長級。
・小竹(こたけ)
エムディスプレイの契約社員。デザイナー。フォトショップの腕は超一流。
カメコとしてレースクイーンを撮り続けていた過去がある。
・大文字隼人(だいもんじはやと)
ムラモトの新入社員。茨城大卒。トゲはあるが、いったん慣れると邪魔に思えるくらい 懐くタイプ。気難しいワンコ。
同期入社の葵日葵が好き。
■ここまでのあらすじ
以下は、2話目のプロローグ(1話目は本項)から通算250話目の「百九十六話 笠司、白露(十二)」までのあらすじです。
本編の五十倍を超える駆け足となっておりますが、全体の流れはこれで掴めると思います。
むろんですが僕の小説は、本編と直接関係の無い会話や逸話、生活の中での雑事、さらにそれらをまとめあげる文体等が要素の大きな部分を占めています、ですから以下に挙げる、それらを削ぎ落とした箇条書きでは面白さの一割も伝えられないかもしれません。
ですが、そのために今から五十万字読め、などとは到底言えるはずもありません。
ですので、お忙しい初見のみなさまにおかれましては、安心してこちらのあらすじをご利用いただければと思います。
物語はまだ2/3です。
ここからあとの話をリアルタイムで楽しんでいただけるのなら、それだけでも十二分に喜ばしいことなのですから。
【本編】
■プロローグ 令和四年末
(瑞稀サイド)
□主な登場人物
・波照間瑞稀
□概要
・瑞稀、LINEで一方的に彼氏(岡江直人)にふられる。
(笠司サイド)
□主な登場人物
・皆川笠司、鍛冶ヶ谷淳、皆川龍児
□概要
・笠司、鍛冶ヶ谷の売り子としてコミケに参戦。夜はふたりで龍児(弟)宅に泊まる。
■睦月 令和五年一月
(瑞稀サイド)
□主な登場人物
・波波照間瑞稀(月波)、山科栄
□概要
・どん底状態の瑞稀、栄と知り合う。パークライフに連れて行かれる。
・月波名義でツイッター連載『白い部屋』を開始。
・栄と一緒に過ごすうちに少しずつ癒やされる。
・匿名コンに掌編小説をノミネート。
・創作系のスペースに参加、オフ会に誘われる。
(笠司サイド)
□主な登場人物
・皆川笠司(笠地蔵六)、皆川龍児、皆川父、ゆかりん、菱沼社長、風間部長
□概要
・笠司、卒論と就職活動に苦しむ。
・笠地蔵六名義でツイッター連載『無題』を開始、鷹宮皐月への思慕を綴る。
・前半はひたすら卒論、後半はバイト三昧。
・匿名コンに掌編小説をノミネート。
・バイト先の菱沼社長から大手イベント会社の風間部長を紹介される。
■如月 令和五年二月
(瑞稀サイド)
□主な登場人物
・波照間瑞稀(月波)、山科栄、蔵六、灰田課長
□概要
・月波、蔵六と相互フォローになる。
・瑞稀、はじめてのオフ会で神戸旅行。
・栄は十六年ぶりの親友と会って自身の失恋の真相を知る。
・『白い部屋』完結。
・『エミールの旅』を連載開始。
・蔵六とDMでチャットする。
・栄の元カレである灰田課長を認識する。
(笠司サイド)
□主な登場人物
・皆川笠司(笠地蔵六)、月波、皆川龍児、菱沼社長、風間部長、御嶽信乃
□概要
・蔵六、月波と相互フォローになる。
・弟の同棲相手さわを紹介される。
・就職先、エムディスプレイに確定。
・『無題』完結。
・『少年と彼女』を連載開始。
・御嶽信乃から本気チョコをもらう。
・同僚から信乃の過去と現況(シングルマザー)を聞く。
■弥生 令和五年三月
(瑞稀サイド)
□主な登場人物
・波照間瑞稀(月波)、山科栄、灰田課長、波照間父
□概要
・灰田課長から新部署への異動の打診を受ける。
・総務部三人娘のランチ洗礼を受ける。
・異動確定。灰田と会食、新部署の説明を受ける。
・『エミールの旅』連載中。
・WBCをパークライフで観戦。
・総務部三人娘のランチ(以降毎週金曜日)。
(笠司サイド)
□主な登場人物
・皆川笠司(笠地蔵六)、御嶽信乃、入来、皆川龍児、菱沼社長、菅原、ゆかりん
□概要
・親戚を含む一族旅行。
・信乃の従兄が経営する入来不動産でアパートを決める。
・入来から信乃の過去を聞く。熟考。
・ホワイトデーの会食で信乃と対峙、不受諾の返答をする。
・『少年と彼女』連載中。
・卒業。
・戸越での新生活開始。ジョギングを日課に。
■卯月 令和五年四月
(瑞稀サイド)
□主な登場人物
・波照間瑞稀(月波)、灰田室長、山科栄、総務部三人娘
□概要
・総務部歓迎会。
・第一回ブランド推進室全体会議。
・新人研修で瑞稀考案の新商品(オルタペストリー)企画のプレゼン。
・オルタペストリー採用。プロジェクトリーダーに任命される。
・『エミールの旅』散発連載~中断。
・九月開催の東京ギフトショーに出品することが決定。
・外部プロダクション巡り。
・栄と灰田を元サヤに収めたいと思うが、ふたりは乗ってこない。
(笠司サイド)
□主な登場人物
・皆川笠司(笠地蔵六)、サンタ部長、葵日葵、鷹宮皐月、皆川父
□概要
・エムディスプレイでの会社員生活開始。朝のルーティン確定。
・親会社ムラモトで新人研修。葵日葵と再会。
・『少年と彼女』中断。
・横浜での現場仕事から帰りの電車内で鷹宮皐月を目撃。
・皐月への手紙。
■皐月 令和五年五月
(瑞稀サイド)
□主な登場人物
・波照間瑞稀(月波)、灰田室長、山科栄、星野生成、総務部三人娘、岡江直人、蔵六
□概要
・『エミールの旅』不定期連載。
・オルタペストリーのデザインプロダクションが星野のヴィルトシュテルンで決定。
・GW最終日に栄と小旅行。
・栄が持ち込んだ福岡で活躍する県外出身者のインタビュー企画がミニコミ誌で連載開始。
・岡江直人に対する瑞稀自身の不義理を追想し反省。
・三人娘の一人がコロナ発症。水野の追究で瑞稀の執筆趣味が社内のオタクにバレる。
・同窓の友人に急遽誘われていったパーティーが、実は岡江直人の結婚披露宴二次会。
・元カレ岡江直人とサシで対峙。自分の中のわだかまりを解消する。
(笠司サイド)
□主な登場人物
・皆川笠司(笠地蔵六)、鷹宮皐月、各務暁、サンタ部長、御嶽信乃、鍛冶ヶ谷淳、月波
□概要
・『少年と彼女』中断中。
・鷹宮皐月からの返信メール。
・GW最終日に皐月とデート。天にも昇る気分。
・笠司絶頂期。
・皐月とドライブデート。別れ際の車内で告白する寸前に邪魔が入る。
・笠司暗転。皐月の元カレ(各務暁)が笠司を訪ねてくる。
・皐月から二週間ぶりの呼び出し。
・三渓園~山手~みなとみらいデート。最後通告。どん底。
・衝動的バス旅行で大学時代の街へ。
・御嶽信乃母子を目撃。声を掛けずにカジ先生宅に転がり込む。
■水無月 令和五年六月
(瑞稀サイド)
□主な登場人物
・波照間瑞稀(月波)、山科栄、灰田室長、皆川笠司、星野生成、総務部三人娘、安曇凛太郎、蔵六
□概要
・『エミールの旅』中断中。
・栄より医者(安曇凛太郎)にインタビューした話を聞く。
・新ブランドのウェブサイトを作成。ボディコピーを担当。
・東京ギフトショーのブース制作を担当するエムディスプレイとキックオフのリモート会議で皆川笠司と初対面。笠司と軽く談笑。
・ウェブサイト用の社員インタビューを担当。全国に散らばる多くの社員をリモートで取材。仕事快調。
・オルタペストリー初号機のデザインがヴィルトシュテルンよりあがってくる。
・総務部女子との会話の中で恋人の必要性を説かれる瑞稀。まだピンとこない。
・送られてきたパースデザインにご満悦。
・栄の態度に不信を感じる。
(笠司サイド)
□主な登場人物
・皆川笠司(笠地蔵六)、鍛冶ヶ谷淳、正親充、サンタ部長、波照間瑞稀、灰田室長、葵日葵、大文字隼人、小竹、月波
□概要
・カジ先生宅で起床。傷だらけだが、とにかく立ち上がる。
・『少年と彼女』ゆるゆると連載再開。
・会社に復帰。ルーティンも再開。低空飛行からリスタート。
・馬車馬のように働く日々。
・はしくらの東京ギフトショーブース制作のメイン担当になる。
・キックオフのリモート会議で灰田室長、波照間瑞稀と初対面。瑞稀と軽く談笑。
・二週間の現場体験研修でやってきた本社新人ふたり(葵日葵、大文字隼人)のお世話役に任命される。
・日葵には懐かれ、隼人からはヘイトされる日々。
・隼人とサシ飲み。誤解が解ける。
・はしくらブースのパース(完成イメージ)作成準備。
・研修終了。隼人とも仲良くなる。日葵と共通の推し(響け!ユーフォニアム)に隼人も巻き込む。
・気難しいデザイナー小竹の手によってパース完成。瑞稀らに送付。
・元カメコの小竹は瑞稀のビジュアルに執着を示し、リモート会議の出席を求めてきた。
■文月 令和五年七月
(瑞稀サイド)
□主な登場人物
・波照間瑞稀(月波)、灰田室長、皆川笠司、蔵六、星野生成、山科栄、総務部三人娘、安曇凛太郎
□概要
・『エミールの旅』中断中。
・エムディスプレイとリモート会議。初参加の小竹とも対面。
・マンションのリビングを模したブースデザインにリアリティを与えるために住んでいる夫婦のペルソナをつくることになり、笠司とふたりで担当することになる。
・共同作業で盛り上がるふたり。
・瑞稀と笠司のふたりでつくったペルソナを元にリファインされたパースが送られてくる。
・部屋に掛けられた写真に映る夫婦ふたりの顔は、まさかの瑞稀と笠司。小竹の手による逆提案。
・栄が安曇凛太郎とデートを重ねていることが発覚。
・送られてきたパースデザインにご満悦。
・すったもんだあるが瑞稀と笠司の顔を本番画像でも使うことが決定。
・灰田、瑞稀に栄への想いを白状する。
・女子会でそれとなく灰田-栄のことを相談。
・蔵六の復活に感化され、『エミールの旅』の連載を再開。
・ギフトショーのための東京出張日程の細目が決まる。
・沖縄随伴旅行の話が降って湧いてくる。
・星野の助力を得て、ギフトショー用のツールの手配が進んでくる。が、最後のアイテムの案がまだひねり出せない。
(笠司サイド)
□主な登場人物
・皆川笠司(笠地蔵六)、鍛冶ヶ谷淳、正親充、サンタ部長、月波、波照間瑞稀、灰田室長、葵日葵、大文字隼人、小竹、皆川龍児、笘篠衿香
□概要
・『少年と彼女』は再度中断。
・エムディスプレイとリモート会議。小竹もメンバーに加える。
・マンションのリビングを模したブースデザインにリアリティを与えるために住んでいる夫婦のペルソナをつくることになり、瑞稀とふたりで担当することになる。
・共同作業で盛り上がるふたり。
・笠司と瑞稀のふたりでつくったペルソナを元に小竹がパースをリファイン作業。
・実家でのひとこま。弟・龍児に皐月との交際が上手くいかなかったことを報告。
・パース完成。部屋に掛けられた写真に映る夫婦ふたりの顔は、まさかの瑞稀と笠司。小竹から、この提案はゴリ押しするよう命じられる。
・日葵、隼人と三人で宮崎駿の新作映画を観に行く。
・カジ先生とのリモート対話で自身の現在位置を測る。
・すったもんだあったが瑞稀と笠司の顔を本番画像でも使うことが決定。
・『少年と彼女』の執筆に熱が入る。連載復活。
・隼人と部屋飲み。日葵への想いを聞く。
・フリーMCの笘篠衿香、登場。
・『少年と彼女』を『三十日間のペアリング』に改題。
■葉月 令和五年八月
(瑞稀サイド)
□主な登場人物
・波照間瑞稀(月波)、灰田室長、山科栄、皆川笠司、総務部三人娘、皆川笠司、波照間トキ、波照間トワ
□概要
・『エミールの旅』連載中。
・東京出張から突然の長期休暇に入る灰田。
・ギフトショーの最後のアイテム案を会場限定冊子とすることに決める。冊子用の掌編をひと晩で書き上げる。
・灰田復帰。東京で安曇の実家とひととなりの聞き込みをしてきたことを聞く。
・会場限定冊子を正式決定。
・栄と会って聞き取り。明言はしないが、状況は安曇と交際しているといっても過言では無い。
・夏休みのはじまり。祖母トキを迎えに東京に。空港で笠司に呼び止められる。初のリアル接触。
・トキの随伴。石垣島経由で波照間島に上陸。曾祖母トワと会い、神秘的な島の自然に浸る。トワの予言。
(笠司サイド)
□主な登場人物
・皆川笠司(笠地蔵六)、笘篠衿香、サンタ部長、大文字隼人、波照間瑞稀、原町田由香里
□概要
・『三十日間のペアリング』連載中。
・笘篠衿香のプロフィール。
・仕事に充実感を感じる笠司。
・隼人からの電話。日葵に告白したとのこと。
・隼人の来訪。告白の状況と結果を聞く。皐月を想うフラッシュバック。
・連載執筆中に小学生時代の淡い恋を思い出す。
・ゼミ同期の由香里からメール。羽田に行く用があるから会おうとのこと。
・三日間のぼっち夏休み。最終日に由香里らと会う約束。
・羽田で偶然、瑞稀と邂逅。初のリアル接触。
・由香里の一派と会食。初めて会う先輩たちの姿を前に、己の未完成ぶりを思い知る。
・衿香と同じ現場仕事。そのまま衿香に誘われ、地下アイドルのライブ会場へ。
■長月 令和五年九月
(瑞稀サイド)
□主な登場人物
・波照間瑞稀(月波)、灰田室長、蔵六、皆川笠司、小竹、笘篠衿香、星野、波照間トキ、鈴木家の人々、山科栄、総務部三人娘
□概要
・仕事に復帰。旅行の余韻。覇気の無い灰田。次週開催のギフトショーに向けての準備。
・おわら風の盆のTV中継を見て発信した感動ツイートに蔵六が反応。チャットのようなツイートの往還。
・灰田とともに東京上陸。会場の東京ビッグサイトに向かう。機内にいる時間に栄から電話があったが受けられず、テキストでの返信に留めるが返事は無し。
・設営会場で笠司らと合流。衿香とは初対面。小竹の指示で笠司とふたり、壁掛けパネル用の撮影モデルとなる。
・設営終了間際、できたばかりの額装パネルを制作者の小竹が持ってくる。
・遅れていた会場限定冊子が星野自らの手で開催当日の朝に届く。
・初日夜、栄に電話。栄から、安曇の強引ともいえる勢いに乗せられて週末に東京の実家で挨拶する予定を聞く。栄の本意では無いことを確認し、一計を案じる。
・二日目の朝、その旨を灰田に伝え、栄たちが東京に着く明日はこちらの現場には来ないで羽田で到着を待つよう説得する。
・最終日(三日目)の朝、灰田抜きでの商談のシフトに苦慮しているところに笠司登場。灰田の不在をカバーしてもらう。
・ひと段落した昼食時の気の緩みから、笠司相手に固有名詞はぼかしつつも栄と灰田の現況を吐き出してしまう。ただ聞いてくれただけの笠司に感謝。
・途中入った連絡で、思惑から外れた結果を受けて憤る。
・会期終了後は挨拶もそこそこに会場を離れ、気落ちしている灰田を叱咤してリカバリの策を授ける。
・強引な瑞稀の策が功を奏し、羽田空港で栄と灰田のペアと合流。自分のチケットを栄に持たせ、自分のスーツケースとともにふたりを福岡に送り出すことに成功する。
・この日の宿を祖母の住む鈴木家に頼み、狛江まで移動しようとするが、一式入った財布をスーツケースに同梱してしまったことに気づき落胆。
・藁にもすがる思いで笠司に緊急要請。
・迎えに来た笠司の社用車で狛江まで送って貰う。途中、サイゼリヤで遅い夕食。
・翌日の土曜日一日をつぶすために、東京住まいと聞いている蔵六にDMを送り、回遊コースを提案してもらうよう願う。
・送られてきた上野~御徒町~秋葉原コースを満喫した夕方、最終便搭乗までの一時間余りを利用する思いつきで蔵六を呼び出してみる。快諾する蔵六が待ち合わせ場所を指定してきた。
・待ち合わせのスタバに到着するも、時間を過ぎてもそれらしいひとは現れない。タイムアップまであと三十分でもう一度DMを確認して、自分が間違えていたことを知る。
・待ち合わせ場所に急行しようとするが、電車を乗り間違えてタイムアップ。
・失意のまま戻った乗換駅品川の駅ナカ書店で、偶然、笠司と出会う。
・笠司に見送られて羽田を発ち帰路につく。
・福岡空港で出迎えに来ていた灰田・栄ペアに連れられて、天神の店で遅いディナー。彼らの顛末を聞く。
・再びはじまる日常。中断していた『エミールの旅』も終幕を目指しての連載を再開。
(笠司サイド)
□主な登場人物
・皆川笠司(蔵六)、月波、大文字隼人、葵日葵、波照間瑞稀、笘篠衿香、サンタ部長、小竹、灰田室長、星野
□概要
・次週開催のギフトショーに向けての準備。
・連載小説執筆中に月波のツイートを確認し、彼女のことを想像する。
・月波のリマインドツイートを読んでおわら風の盆のTV中継を見る。蔵六のツイートに月波が応え、チャットのようなツイートの往還。月波と会ってみたいと思う。
・撮影用の私服選びで隼人・日葵ペアに頼る。
・開催前日のビッグサイトでブース設営。瑞稀と灰田が来場。小竹の指示で瑞稀とふたり、壁掛けパネル用の撮影モデルとなる。
・設営終了間際、できたばかりの額装パネルを制作者の小竹が持ってくる。
・遅れていた会場限定冊子が開催当日の朝に届く。
・開催二日目は現場に入いる必要の無い笠司の束の間の日常。最終の三日目は朝から入って欲しいという瑞稀からのお願いメールが届く。
・突発の灰田不在に代わりを依頼され、できる限りはと応じる。
・ひと段落した昼食時、瑞稀から心配事の吐露を聞かされる。おそらくは灰田のことと推測しつつも、黙って聞き役に徹する。
・会期終了後はひとり残って、撤去作業のディレクターをこなす。
・帰り際に瑞稀から電話を受ける。羽田まで迎えに来て欲しいとのこと。
・要請に応え、羽田で瑞稀をピックアップして狛江まで送る。途中、サイゼリヤで遅い夕食。
・翌土曜日、ひさしぶりの自分だけの時間を満喫していると、月波からDM。東京に来ているので散歩コースを教えて欲しいとのこと。三コースほどひねりだして送り返す。
・夕方、上野コースを選んだという月波からお茶の誘いを受ける。よろこんで受諾し自分の最寄り駅のスタバを指定。定刻よりも早く店に入って見知らぬ月波を待つ。
・時間を過ぎても一向に現れない月波。三十分以上過ぎたところで、場所を間違えていたとのDM。駅の改札まで行って待ち構えていたところで、乗り間違えの連絡を受ける。最寄りの合流駅品川まで戻るよう指示して自分も電車に乗るが、途中でタイムアップ通告を受け取る。
・失意のまま品川駅ナカの書店に立ち寄ったところ、偶然、瑞稀と出会う。
・そのまま空港まで一緒に行き、ゲートに消える瑞稀を見送った。
・翌週からは、また通常の日々に戻る。散発だった『三十日間のペアリング』もラストスパートの連載を再開。
・月波との深夜のチャット的リプライ交換。
【小説内小説】
■白い部屋[完結]
□著者:月波
目が覚めたら白い部屋にいた。
ボクっ子女子高生、春海は、なんの前触れも無くISS(国際宇宙ステーション)に飛ばされていた。
並行宇宙地球の天才少女ハルが大気圏外で発見した特異曲線は、意識だけを別宇宙の同一個体と入れ替えることができる、世界線の剥き出しになった亀裂だった。
ISSに搭乗していたハルがその奇跡の実験を我が身で行ったのはなんのためなのか・・・・・・?
■無題[完結]
□著者:笠地蔵六
二十三歳になった筆者が語る過去の自分「きみ」に向けて書かれた私小説。
幼年期からはじまって小学校、中学、高校、浪人、そして大学生となったきみが出会ったとりたててどうということはない、でもきみを形づくるためには重要だったエピソードをひとつずつ辿っていく物語。
■恋の盛衰(半年周期説)[完結]
□著者:月波
匿名掌編小説コンテスト参加作品。
請われるままに付き合い始めた交際の中で独り暮らしに興味を持った主人公は、やがて独りの生活の愉しみに重心を移し、彼の存在をさして必要でないものと考えるようになっていた。
■リロードの手間が掛かり過ぎて気が遠くなる[完結]
□著者:笠地蔵六
匿名掌編小説コンテスト参加作品。
生まれたての赤子に転生を繰り返す男の、まさにこの世に生を受けたそのときの意識の独白を綴った掌編。
■エミールの旅[連載中]
□著者:月波
自分と両親のほかは十人そこそこの老人しかいない小さな村で生まれ育った十三歳のボクっ子少女エミール。彼女の村にひとりの壮健な男がやってきた。彼の名はリヒラ。旅人である彼の目的はいったいなんなのか。
文明の退化した異世界を舞台に、エミールとリヒラの旅を描いたジュブナイルファンタジー。
さまざまな集落との交流を経て辿りついた目的の地ニライカナイ。そこで出生の秘密を聞いた彼女は、エミリーという本来の名前になって、同年代の子どもたちとともに生活や勉強を始めることとなった。
■三十日間のペアリング(「少年と彼女」改題)[連載中]
□著者:笠地蔵六
小学四年生のサトル少年は義父からネグレクトされていた。
小雨の降り出した公園のブランコで佇む彼の前に、コートを着た無表情な美女が立った。彼女の名はちさと28。近日にリリースされる予定の汎用AIヒューマノイドだった。彼女は、全国民から無作為に選ばれたベータテスターのサトルと三十日間の主従関係を結ぶと言ってきたのだ。
徐々に明らかになるちさとモデルのスペックと設計思想、そしてサトルの家庭環境。二十九日目の夜、ちさとが機能を停止している時間帯を選んで襲ってきた凶行を、ふたりははねのけていけるのだろうか。
■オルタペストリー~東京ギフトショー限定配布冊子[完結]
□著者:波照間瑞稀
DINKSの夫婦が住むリビングルームでの一幕。
遅い時間に帰宅したすみれは、夫・一郎が作り置きしてくれた麻婆豆腐を食卓で食べる。視線の先にあるのは半跏思惟像が描かれた壁掛け「オルタペストリー」。
亡き義母を祀る仏壇の代わりであるそれに歩み寄った彼女は、いつしか自分たちの始まりとなった病室の義母との出会いに想いを馳せるのだった。
――――――
上記あらすじからの続きは、11/30夕方更新の通巻251話目、
長月 令和五年九月
> 秋分 九月十八日~十月一日
> 「エミールの旅」19(九月十八日~九月二十四日)――月波140字小説
となります。
――――――
※本項は、カクヨムコン10終了直前に公開停止する予定です。
(本編は公開継続)
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