第46話 牆有茨(かべをおおって さくノバラ)

※おたまじゃくしはカエルの子のリズムで


かべをおおって さくノバラ

イバラをのぞくは やめておけ

かべのむこうの みそかごと

りょうてりょうめを おだいじに


かべをおおって さくノバラ

イバラをとるのは やめておけ

かべのむこうの みそかごと

くちにするには ちとエグい


かべをおおって さくノバラ

イバラによるのは よしておけ

かべのむこうの みそかごと

キクでないほら けがをする


【元の詩】

牆有茨 不可埽也

中冓之言 不可道也

所可道也 言之醜也


牆有茨 不可襄也

中冓之言 不可詳也

所可詳也 言之長也


牆有茨 不可束也

中冓之言 不可讀也

所可讀也 言之辱也


【ひとこと】

元の詩の完成度高いなこれ。


◯さくノバラ 咲く野薔薇。せっかくなら真っ最中がいいかなって。絶対に“野薔薇”じゃない身分でしょこれ、前にも野薔薇に例えてるのあったけどさぁ⤴︎⤴︎⤴︎と思ったら「漢廣」では「楚」だった。ごめんなさい。語彙が欲しいぃぃぃ。

◯イバラをのぞく 茨を除く、覗く。

◯みそかごと 密か事。①秘密のこと。②男女が密通すること。

◯りょうてりょうめ 両手両目。荊にはトゲがある。取り除こうとすれば手に刺さるだろうし、覗けば目に悪い。……悪いというか関わり合いになって五体満足のままでいられると思うな処刑されるぞの遠回し表現のつもり。元の詩よりエグめにしておいた。

◯イバラをとる 取る(取り除くの意)、採る。

◯くちにする 口にする。声に出してお喋りするには密通の件はエグい話だし、荊を食べようとしても美味しくないの意味。

◯イバラによる 茨にるのはしておけ。掛け言葉うかばず……ヨの押韻に逃げた(ひらがな一音2回を押韻と主張するのはダサいよな、わかる、3回踏め。あるいは母音2音くらい踏んで来いよと思うよな、分かる。許せ)。

◯キクでないほら 見ざる言わざる聞かざるの流れで「聞く」(元の詩は知らん)。聞くものではないし、菊の花でもないから、怪我をしたくない(難癖つけられて処刑されたくない)なら寄るものではない。

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