第4話 男尊女卑
女性の権利を――そういった主義主張は以前からありますが、そのような「権利」の主義主張を最近は特に目にするようになっていると感じます。
いえいえ、それが特に悪いという訳ではなく、根本的な考え方に疑問を感じるのです。
そもそも、誰が言い出したのか「男尊女卑」という言葉がありますが、生物学的に考えた場合には「逆」ではないか、と。
訳が分からない――そんな顔をされていますね。理由はこれから説明します。
男性は子どもを産めません。
今、あなたは何を当たり前のことを――そう思ったでしょう?
ですが、生物としての優位性はこの一言に集約されます。そう、生物にオスはそもそも必須ではないのです。
これは子孫を残す個体をメスと定義するなら(厳密には違いますが仮に)ですが、無性生殖や単為生殖ならオスは要りません。メスだけで子孫を残せます。もっとも、単為生殖は普段は有性生殖する生物が単独で子孫を残すため、分類上は有性生殖だそうですが……。
また、生物の多くは求愛行動するのはオスであり、メスはオスの中から気に入った個体を選ぶことになります。
つまり、種の維持に本当に必要なのはメスなのです。オスはより良い遺伝子を選ぶための道具にすぎません。
……と、ここまで読まれた方は「我々は動物じゃない! 人間だ!」と憤りを感じる方も居るかと思います。しかし、人間も生物である以上本能的な「ルール」からは逃れられないと私は考えています。
近年流行りのマッチングアプリでも、若い女性は男性から引く手数多であり、これは女性が「選ぶ側」であるというのを裏付けています。生殖能力の高い若いメスにオスたちは本能的に群がるのです。
さて、それなのに社会ではなぜ「男尊女卑」と言われるのでしょうか。原因は、既に書いた中にあります。
男性、オスは有性生殖のための使い捨ての道具であるため、女性、メスに必死でアピール(求愛行動)する必要があるからです。その「アピール」とは、人間社会で言うならば容姿や富と権力といったところでしょうか。
だから、男性は政治やら戦争やらでやたら表舞台に立ちたがり、女性を押しのけてまで自身の有用性をアピールしたがるのです。これらは本能的なコンプレックスから来るものと思われますが、本人に聞いたところでまず否定するでしょう……。
そろそろ結論に入ります。
男尊女卑という言葉がありますが、生物学的には女尊男卑であり、人間社会の男尊女卑はその裏返しであること。つまり、男性からそれを奪ってしまえば――近年では女性の社会進出やAIによる自動化が進み、そうなる可能性もあります。
もしかしたら、それが新たな世界大戦を生むことになるかもしれません。
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