ガチャ532回目:火葬
『ガア! ガアア!』
「そうだなぁー……」
俺に向かって飛んでくる『風魔法』を『超防壁』で受けつつ、対策を講じる。蛇腹剣が奴の身体に食い込んでいる以上、何をしようと致命傷を与えられるはずだ。
なんせ、剣モードの蛇腹剣は、相手の血を啜れば啜るほど強化される特性があるみたいだしな。試しに見てみるか。
「『真鑑定』『真理の眼』」
名称:双貌血牙の蛇腹剣+6
品格:≪遺産≫レガシー
武器レベル:50+6
「おお、+6か」
多分この状態なら、切れ味とか技の威力とか色々パワーアップしていそうだな。まあ、その強化も一時的なもので、形態変化させたらリセットされそうだけど。そこはまああとで確認するとして、今は強化された力を試すか。
「『紅蓮剣』!!」
『ガアアアッ!?』
蛇腹剣の刀身が炎を纏うと同時に、奴の全身を灼熱が包み込んだ。灼熱は血を沸騰させ、肉を焼き、骨をも溶かし始める。
本来の『紅蓮剣』では考えられない威力と効果範囲に驚きを隠せなかったが、それにより想定外の出来事も1つ。本来の『紅蓮剣』は、刀身の周りに炎を発生させ、斬ると同時に焼くという工程が発生するスキルだ。その炎が焼くのは敵だけであり、俺本人には何の影響ももたらさない安全なスキルであったのだが、威力と効果が拡大した結果――。
『ガアアアッッ!!』
「あちちちちち!!」
めちゃくちゃ熱かった。
幸い、ダメージは全部『超防壁』が防いでくれている感覚はあるのだが、熱気を防ぐ事はできずにいた。超高熱の火事現場にいるけど、火傷は一切負わないという不思議な状態だった。
いくら直接ダメージを受け無いとはいえ、こんな高熱の中にいたら身体が勘違いして思い込みでホントに火傷しちまいそうだ。
「熱くない熱くない!」
俺にダメージはないと強く思いつつ耐えていると、『シックネスコンドル』が先に力尽き、制御を失って自然落下を始めた。
「おっ」
そして焼けたことで発生したのとは違う煙が、全身から漏れ出ているのを確認した俺は、『紅蓮剣』を解き、グズグズになった奴の身体から蛇腹剣を引き抜いた。
そして地面に激突する前に脱出をし、『空間魔法』と虚空歩で勢いを殺して地面に着地する。
【レベルアップ】
【レベルが98から212に上昇しました】
「ふぅー」
結局戦闘によるダメージは無かったけど、精神的にめっちゃ疲れてしまったな。汗もダラダラだ。こんな時は風呂に入ってさっぱりしたいところだけど、まだまだ攻略は途中だし、そうも言ってられないよな。
「ショウタさんっ!」
「おかえりー! 凄かったわよ!」
「火の鳥が飛んでましたわー!」
「あの猛火の中でも、装備やインナーに焦げ一つないとは。流石ご主人様です」
「ん。すごい」
彼女達が集まって口々に褒めてくれる。そして同時にアキとマキが率先して体を拭いてくれた。濡れタオルが気持ちいい。
「次がいつ出るか分からないから、全員警戒を頼む。レアだけであの強さだったんだ。レアⅡになったらどこまで強くなるか想像もできない」
「アヤネちゃん、ミスティちゃん。ショウタさんをお願いね」
「水分補給もさせといてねー」
「はいですわ!」
「ん。任せて」
煙を見える2人が前線に行き、アヤネとミスティがお世話役にやってくる。彼女達に甲斐甲斐しくお世話されながら、俺はガチャを引いた。
『ジャララララ!』
結果はいつものごとく黒2、白2、緑4、紫2。
『SSR 頑丈上昇+230、俊敏上昇+230』
『SSR スキル:悪臭耐性Lv1』
『UR 腕力上昇+380、器用上昇+380』
『UR スキル:魔眼耐性Lv1』
『UR スキル:克己Ⅱ』
『UR スキル:弱体化Ⅱ』
『SUR ステータス6種上昇+300』
『SUR スキル:並列処理Ⅲ』
『BR スキル:魔導の御手Ⅱ』
『BR スキル:オーラ感知』
「無料ガチャ」では赤5。
『SR 器用上昇+125』
『SR 魔力上昇+125』x2
『SR 知力上昇+125』x2
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:52
腕力:43344(+21617)(+21672)
器用:43352(+21621)(+21676)
頑丈:43110(+21500)(+21555)
俊敏:43160(+21525)(+21580)
魔力:42778(+21336)(+21389)
知力:42620(+21257)(+21310)
運:26846
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武技スキル:無刃剣[双連・無刃剣Ⅲ]、閃撃[閃撃・剛]、紅蓮剣[飛剣・鳳凰Ⅲ]、紫電の矢[雷鳴の矢]、魅惑の矢、破魔の矢
称号:ゴブリンキラー、アントキラー、神殺し
管理者の鍵:525、810、777、1086
封印の鍵:タイプL
知恵の実:No.4
*****
『ボックスの残り 10/100』
うーん、特に目新しいスキルはなかったな。
けど、『魔導の御手』もⅢになったし、これで腕は3本まで出せるようになったわけだ。今すぐには活用方法は浮かばないけど、『ダブル』同様かなり活躍してくれそうな予感がする。
そうして腕の使い道について考察を進めている間も、彼女達の奉仕は続いていた。
「それでは旦那様、次はお背中拭きますわ~」
「ん。私は前」
「いや、くすぐったいんだけど」
「我慢ですわ~」
「ん。我慢」
そうして彼女達によって上半身の汗はすっかり拭きとられ、少しはスッキリしたのだった。俺はガチャを仕舞ってから立ち上がると、何を勘違いしたのかミスティが小首をかしげた。
「ん。次は下?」
「は? いやいや、違うから」
「違うんですの?」
後ろを見れば、アヤネがズボンのベルトをガッシリ掴んでいた。どこまでするつもりなのやら。
「そういうのは全部終わってからね」
「残念ですわ~」
「ん。わかった」
「ショウタさん! 動きがありました!」
そうしてじゃれ合っていると、煙が膨張を始めていた。
「お、来たか」
さて、アレのレアⅡは何が来るかな。
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