第13話 企画に大事な『アピールポイント』とはなんぞや?
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・アピールポイントとは、企画の売り。
・お客様に商品を手に取ってもらうための、わかりやすい宣伝文句。
・企画の中身を言語化、数値化して、興味を惹かせよう。
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■その企画の売りはなに?
企画を立てる際、コンセプトと同じくらい大事なのが『作品のアピールポイント、『売り』は何なのか?』と考えることです。
今のご時世中身がわからないもの、期待できないものにお金を払いません。
真っ白で飾り気がなく中に何が入っているか不明な段ボール箱と「超合金スペシャルDXロボット!」と書かれたクリスマスプレゼント。
玩具を欲しがっている男の子がどちらを開けたがるかは一目瞭然ですね。
「中身がわからないからなぁ。買おうかな? どうしようかな?」と尻込みをしている人のケツをバットで叩く(失敬)ための仕掛け。それが『アピールポイント』です。
■アピールポイントを考える際は、思わず手を出したくなるように
アピールポイントを考える際は、
「箱の中には、面白いモノが入っているよ」
「具体的には、○○という素材を使ったぬいぐるみだよ」
「しかも、キミの好きなウサギさんのキャラクターさ★」
「他にも……おっと、これ以上は開けて確かめてね!」
という感じで
プレゼントを受け取る側(ユーザー)がワクワクするような謳い文句、思わず手を伸ばしたくなるような誘い文句を捻り出しましょう。
「某有名シェフのお墨付き! 黒部和牛A5サーロインステーキが通常5000円のところを、今ならなんと500円!」
と書かれていたら、みんな血眼になって奪い合いますよね?
商業ラインにしろ同人ラインにしろ、ユーザーにお金を払って頂いて遊んでもらう以上は「商品価値を問われる」ことを強く意識してください。
あなたが手がける企画(ゲーム)の市場価格はどれくらいか。
これを買うことで、ユーザーはどれほど楽しめるのか。
冷静に判断し、熱意を持ってアピールしてください。
■アピールポイント : 内容を数値化する
冒頭の説明で「フタを開けてみなければ中身はわからない」と書きましたが、あえて中身を箱に書いてしまう方法もあります。
食品の成分表示と同じように「プレイ時間80時間保証! ヒロイン10人! シナリオ容量3M!」など、言葉や数値で表現できるポイントをアピールとして推します。
具体的な数値をアピールすることで「ほう? この作品はシナリオに力を入れてるのですか、やりますねぇ」「こいつはクリアまで80時間かかる大作だぜ。そういうのを求めてた」と、ユーザーの需要を満たして購買意欲を刺激するわけです。
クライアント(様)も、作品の中身を数字で把握しやすくなるので、ボリュームをアピールするのは有効な手段でしょう。
ただし、「制作に3年かけました!」と大作感をアピールしても「延期を繰り返しただけだろ?」とマイナスイメージに取られることも。
どの部分をアピールすれば宣伝的にプラスになるか、よく吟味しましょう。
■アピールポイント : スタッフを推す
豪華声優陣、有名原画家など、その作品に関わったスタッフを『売り』にするパターンです。黒部和牛の例だと、「産地」「生産者」でアピールすることになります。
宮崎駿監督が新作映画を作ったら、つい見てしまいますよね?
有名クリエイターにはファンがついており、一定数の集客を見込めます。
特に声優ファンは購買意欲も高く、固定層として『数字』を持っています。
アピールポイントとして制作スタッフを推す場合、いわゆる『沼』にハマっている目の肥えたユーザーに対して効果的ですが、ライト層にはまったく響きません。
例えば、街角に貼られた将棋教室のポスターに「有名棋士○○2段が教えてくれるよ!」と書かれていても将棋にまったく興味がない人が見たら「誰それ?」で終わってしまいます。
■人気のあるキャラやスタッフを誘致(コラボ)
前記のアピール方法と似ていますが、こちらは「外部コンテンツから有名キャラ、スタッフを連れてきた」とアピールすることで、外部のファンを取り込む作戦です。
「ハ□ーキ○ィ」とのコラボを行うことで女性ファンを取り込んだり、洋画の吹き替えに有名芸能人を採用する、というPR方法ですね。
企画の存在を知らなかった「初見の人」を誘致することが可能ですが、ファン層が違いすぎる場合、そこまで大きな効果は見込めないでしょう。
ただし、『隣の畑の住人』なら大量に呼び込むことができます。
最近ではゲームの宣伝に「VTuber」を登場させたり、アニメで人気のキャラが、ソシャゲーとコラボを行ったりしています。
親和性が高いファン(別のコンテンツにハマっているオタク仲間)を上手く取り込めるよう、作品内容とマッチする魅力的なコラボを行いましょう。
■NGなアピール : 質=中身で勝負だ!
最後によくないアピール方法について。
ゲームに関わらず、創作物を宣伝する時に行いがちな誤りが「感動的なシナリオ!」「魅力的なキャラ!」「プレイすれば面白い!」と、作品の中身やクオリティーをアピールすることです。
一見、まっとうなアピール方法に思えますが『フタを開けてもらうための工夫』の話をしているのに「フタを開けてみればわかるよ!」では、お話になりません。
企画段階で「クオリティーが低い」「ヒロインは平凡」と書くわけはなく、 当然のことをアピール=他に推すポイントがないの? と勘ぐられます。
「感動的なシナリオ」と意味のない文字を並べられても、泣けはしません。作品の質に関しては、キャラ紹介文や体験版など『中身』で語りましょう。
(プレイした感想をSNSなどで広める戦略は、ゲーム発表後の話です。今はゲームを作る前、企画段階でのPRについての話をしています)
■まとめ
アピールポイントとは、お客様に商品を手に取ってもらうための、わかりやすい謳い文句です。
『アピールポイント』で欲しいアイデアは、中身以外の部分。
100売れる作品を、120売れるようにするための工夫を考えましょう。
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宣伝コーナー
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