生徒会役員は個性が強い 14ページ目
「もぅ、ツンデレは乱暴なんだからっ」
「はっ、僕は今までいったい……」
「さぁ、管君、会長命令よ。奈乃ちゃんから議事録を取り上げるのです」
「えっと、状況がまったく見えないんですけど」
「シャラーーーーーップ、細かいこと言わないでさっさと私に従うのっ!」
「は、はいっ」
「何よもう、せっかく陽琥君と二人っきりだったのに」
「うるさい、うるさい、うるさーーーーーーい。今はそんなことよりも、議事録の方が大事なんだからねっ!」
私の気迫に飲まれたようで、管君は操られるように奈乃ちゃんのもとへ。
議事録を奪おうと手を伸ばした先には──。
「きゃっ、いきなり触るのはセクハラだよー。この、セクハラ魔人」
「僕は議事録を取ろうとしただけなのに」
「誰がどうみても、私の手を掴んだんじゃないー」
「だってそれは……」
「言い訳なんて見苦しいよ。どうせ脳内ではハーレムとか妄想してたんでしょ。自分以外が女子だから何をやっても許されるとか、ハーレム思考は夢の中だけにしてくださいー。それに、イケメンだからって、セクハラしてもいいと思ってるんですかー? ホント、最低のクズでキモ系イケメンですねー」
奈乃ちゃん、いつになく饒舌だよね。ひょっとして、男の人が苦手とか? ううん、それはないよね、パソコン部の部長を手玉に取るぐらいだし。
それじゃ、なんでだろ……。
はっ、もしかして、男の人に触られるのがダメなだけとかかな。もぅ、初心すぎるよ奈乃ちゃん。腹黒系悪女なのにそのギャップは反則級だよ。
「なのちゃん、あんまりハルくんをイジメたら、めっ、だよ」
「三須先輩、助けてくれてありがとうございますー」
「ち、ちょっとハルくん、近い、顔が近すぎるよー」
「うわ……。頭固すぎ君はロリコンだったんだー」
「陽琥君、私はアナタがロリコンでも大丈夫だからねっ」
「違うからっ! 僕はロリコンなんかじゃ──」
「そ、そんなことより、サキの体から手を離して欲しいのー」
「会長、これは議事録に残す必要がある、とボクは思うよ」
「そうね、葵ちゃんの言う通りね。さすがに、三十近い成人男性のリアルロリコン──略してリアコンは見逃せないもの」
「僕はロリコンでも三十近くでもないからぁぁぁぁぁぁ」
『このリアコン』
見事なくらい綺麗にハモリましたね。
クリティカルダメージを食らったから、管君は使いモノにならなさそう。管君、アナタの犠牲は無駄にはしない。だから、安心して眠っていいよ。その存在を綺麗さっぱり忘れてあげるから。
「陽琥君、大丈夫ー? 安心して、私がずっと介抱してあげるからねっ」
また膝枕ですか……。どっちが節操ないのか、わかったもんじゃないよ。だいたい、取材はどうしたのよ、取材は! おっと、管君のことは綺麗サッパリ忘れたはずだったよね。だから気にしちゃダメ、うん、気にしちゃ……。
でも、なんでだろう、あの二人を見てると心がチクリとするよ。ううん、これは気のせいよね、この痛みはきっと勘違いに決まってるんだからっ。
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