生徒会役員は個性が強い 10ページ目

「へ、へぇー、そうなんだ。でもツンデレが嫌いとか、見る目がないよね。ううん、人生損してる可哀想な人だよね」


「好き嫌いなんて人の自由じゃないですかー。会長は胸と同じで器も小さいんですねー」


「な、な、なんですって!」


 何よ胸が小さいとか、器と全然関係ないじゃないのっ。


 確かに私は超控えめに言って貧乳かもしれないよ。


 でも、言っていいことと悪いことがあるでしょ!

 ここは、ツンデレこそが最強ということをハッキリさせないとね。って、葵ちゃんが敵意丸出しで綾崎さんのことを睨んでるよ。


「ボクの会長を悪く言うなんて許せない、かな」


「私は葵ちゃんのモノじゃないけど、庇ってくれてありがとうね」


「あー、ごめんなさいっ。私、本音を隠せないタイプなんですよ。だから許して欲しいかな、陽琥君からもお願いしてよー」


 だから、ベタベタしすぎなんですって。


 というより、どうして管君に胸を押しつけてるのよっ! 管君も管よ、満更でもないって顔してるし。べ、別に管君が誰を好きになろうと、私には関係ないんだけどねっ。


「さ、西園寺会長、ここで波風を立てると新聞に何書かれるかわからないので、器の大きいところを見せましょうよー」


「私は胸が控えめかもしれませんが、器は大きいですっ! いいわよ、それくらい許してあげるわよ。べ、別に管君のために引いてあげるんじゃないんだからねっ」


「会長がそう言うなら、ボクはこれ以上何も言えないかな」


「まぁ、だからと言ってツンデレ好きにはなりませんけどねー」


 ガマンよ、ここは耐えるのよ朱音。


 ここで相手の挑発に乗っては、クイーン・オブ・ツンデレの名に傷がつきますし。寛大な心でこのエセお嬢様の言葉を無視するのよ。


「そ、それで、取材って具体的に何するんですか?」


「んー、会議の様子を記事にしようかと思いましてー。目的はもちろん、新しい校則なんですけどねー」


 新しい校則を記事にですか……。


 これは好都合よね、わざわざ話題を振ってくれるなんて。


 あの三人に復讐するには校則を変える必要があるし。というより、どうやって復讐すればいいんだろ。まずはそこから考えないといけないよね。それに、復讐する順番も大切かな。


 当然、拓馬はメインディッシュなわけで、担任の加地先生と理事長は前菜にしたいところね。


「よし、今日の議題は校則に何を追加するかです。別に綾崎さんのためではないけど、何か提案がある人いるかな?」


「朱音会長ー、サキは校則に停学と退学の廃止を入れたいのだー」


「停学と退学の廃止……ですか」


 いくら有名進学校とはいえ、それをしたら秩序が崩壊するのは間違いないよ。あれ、そういえば、確かマスターおなつも同じことを──って、あの人は詐欺師だったね。


 うーん、これは復讐には利用できないかな。


「僕は三須先輩の意見に大賛成ですっ」


「さすが陽琥君ね、時代の最先端を行ってるなんて、私、尊敬しちゃうよ」


 なんなのよ、私のときは大反対したのに。


 しかも綾崎さんにデレデレしちゃってさ。


 はっ、管君のことはもう考えないようにするんだった。でも……賛成の理由ぐらいは、聞いてもいいよね。

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