第288話 番外編 それぞれの想い 3 ーコハル編ー

 コハルなのれす。ハルを守るなのれすッ!

 あたちは創造神様の使いなのれす。その創造神様に言われたなのれす。

 ハルを守る為に、創造神様に生み出された聖獣で神使があたちなのれす! あたちとハルは繋がっているなのれす。ハルの亜空間にいつも入っているなのれす。お昼寝にとっても良い感じなのれす。

 普通の聖獣は、獣が数百年生きて魔力をもったら聖獣になるなのれす。寿命を超えてそこまで生きられるのは、神が加護を与えるからなのれす。だから悪さをする獣は、聖獣にはなれないなのれす。

 あたちは違うなのれす。最初から神の力で生み出された聖獣なのれす。

 生まれてすぐに沢山の記憶が頭に流れて入ってきたなのれす。この世界の創世記からの記憶なのれす。これは特別な聖獣だけなのれす。

 あたちは全身真っ白なリスなのれす。背中と尻尾にだけ金色の縞があって、額には普通のリスには無い不思議な模様があるなのれす。この模様が創造神様の神使の印なのれす! 自慢なのれす! あたちはハルを守るために遣わされた神使なのれすぅッ!


「ハルを守るんだわいな。頼んだわいな」

「任せるなのれすッ!」


 ハルと一緒に下界へ落とされたなのれす。あれ!? あれれれー!? 創造神様、間違っているなのれすぅー! 違うなのれすー!! 間違えたなのれすかぁ!? こんな大森林の中に落としたら駄目なのれすーッ!

 あたちは焦ったなのれす。創造神様はもうかなりのお年だから、きっと手元が狂ったなのれす。あたちがハルを守るなのれす! 急いでハルを傷つけないように風魔法を使って着地したなのれす。あたちは優秀なのれす。これ位はちょちょいのちょいなのれす!


「クッショ! あのじじい! 何が楽しくら! こんなちょこに落としやがって! また死ぬちょこじゃねーか!」

「グルグルグル……キュルキュル!」

「あ! あぶにゃい!」


 ハルを守るなのれす! だからあたちは出て来た大きな魔物に突撃していったなのれす! なのに、ハルまで突撃したなのれす! びっくりしたなのれす!

 ハルが、小さな身体でタッタッタッタッと走り、思い切り高くジャンプしたなのれす。その時ハルの身体が少し光っているのをあたちは見逃さなかったなのれす。ハルは教えられていないのに、身体強化の魔法を使っていたなのれす! ハルの身体はまだこの世界に来たばかりで馴染んでいないなのれす。前よりずっと小さくなっているなのれす。教えてもらってもいないのに、どうして魔法を使えるなのれすか!? ビックリなのれす!


「たーーー!! ちゅどーーーーん!!」


 ――グギャォォォーーー!!!!

 

 ハルはあっという間に大きな魔物を倒したなのれす! 凄いなのれす! 『ちゅどーん!』カッコいいなのれす!


「ふぅー、あぶねー。おまえちゅよいな!」

「ピルル!」


 で、あたちはハルに名前をもらったなのれす。あの創造神様は、あたちに名前をつけるのも忘れていたなのれす。もう、お年だから仕方ないなのれす。忘れものが多いなのれす。ダメダメなのれす。


 神はこの世界でのハルの保護者を選んだはずなのれす。でも、こんな大森林の中でどうやって出会うなのれすか!? 絶対に場所を間違えているなのれす!

 あ、ユニコーンが飛んでくるなのれす。きっとあれに乗っているのがハルの保護者なのれす!

 ふぅ~、これでなんとかなりそうなのれす。あたちは疲れたから少し寝るなのれす。


 ハルは創造神様のことを『くしょじじい』と言うなのれす。仕方ないなのれす。あんな大森林の中にいきなり落とされたら誰だってびっくりするなのれす。

 でも、創造神様が選んだ保護者は良い人なのれす。ハイエルフなのれす。この世界ではハイエルフは大きな力を持っているなのれす。

 そのハルの保護者のハイエルフ、リヒト達と長老に会いに行ったなのれす。

 長老はハルのじーちゃんだったなのれす。

 このじーちゃんもハルの保護者なのれす。ハルが泣いていたから心配したなのれすが、大丈夫だったなのれす。良かったなのれす。


 ハルはリヒトに付いてヒューマンの国に行ったなのれす。危険なのれす! デンジャーなのれす! ハルの髪色はヒューマンの中だと目立つなのれす!

 あたちが亜空間で寝ている間に、ハルが誘拐されてしまったなのれす! しまったなのれす! 大変なのれす! 緊急事態なのれすッ! イオスが大慌てなのれす!

 でもすぐに無事に助け出され、猫の獣人が仲間になったなのれす。ハルがカエデと名前を付けたなのれす。あたちの方が先輩なのれす!

 ヒューマンの街でハルのばーちゃんに会ったなのれす! ハルが魔法を使うと身体が光ってしまうのを、ばーちゃんが治したなのれす。長老も分かっていたなのれす。なのにどうして治さなかったなのれすか? 分からないなのれす。


 ハルとたくさんクラゲ退治をしたなのれす。どうしてヒューマンの国にこんな毒クラゲがいるのか不思議なのれす。ヒューマンの中には悪だくみをする者がいるなのれす。このクラゲは怪しいなのれす! あたちはしっかりハルを守るなのれす!


 ハル達といろんな国へ行ったなのれす。どこで食べてもルシカの料理が1番なのれす。特にルシカが作る甘いおやつは最高なのれすッ! ルシカの料理は美味しいなのれす! 大好きなのれす!

 途中で白い虎の聖獣も仲間になったなのれす。でも、あたちの方が先輩なのれす! 格が違うなのれすよ! 可愛がってやるなのれす!


 創造神様に生み出されて、ハルと一緒にいる様になってあたちは楽しいなのれす。

 ハルは笑っていて欲しいなのれす。

 ハルの前世の記憶も知っているなのれす。あんな辛い事はダメなのれす。ハルはいっぱい我慢したなのれす。だから、この世界でハルは笑ってないとダメなのれす! 

 あたちがハルを守るなのれすよ! あたちはハルが大好きなのれすッ!

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