登場人物紹介2
第二章に登場したキャラクター等を紹介します。
<女料理人>
名前:ニイナ(新菜)
性別:女
年齢:二十代(外見)
種族:人間、転移者(魅了・簡易転移・状態異常無効のスキル持ち)
職業:シェフ(自称)
詳細:
転移者。転移特典で便利な特殊能力を所持していた。仔羊背肉のローストやロッシーニ風ステーキを形の上だけでも作れてしまうあたり、腕前は確か。少なくともフレンチの技術や知識はアレックスよりはるかに上。ただし地球の知識と常識に縛られている上に異種族による食毒概念が無かったため、大量の食中毒者を出した。後年カトラトリー普及に貢献したと評価されている。駄目男に捕まり駄目志向が駄目な方向に覚醒してしまった。
<商業ギルドの男>
名前:プルトン
性別:男
年齢:十代後半(外見)
種族:人間
職業:商業組合職員
詳細:
中堅商家の次男。喧嘩っ早く、上昇志向が強く、他を見下す傾向。転移者の女料理人(自称)と偶然出会い、彼女の承認欲求をくすぐり料理バトルとか炎上系芸人みたいな真似で知名度を稼ぐ。
十代の若さと体力とそこそこイケメン力で女料理人を説得(夜の)し共犯者に仕立て上げた。商業組合は将来の幹部候補生として期待を寄せていたし、女料理人の実力も評価していた。
<ハイム伯爵家>
海運で財を成した地方貴族。派閥の力関係と出資者の意向で女料理人たちの後見的立場にいた。小麦子爵家への嫉妬は否定しない。言われるがままに食材を都合した。各国の重要人物を招いた饗宴の場で致命的な食中毒事故をやらかされたため、自主的に爵位と領地を返上。当主自身は貴族牢に自ら入った。
女料理人達が脱獄を繰り返す度に同情が集まる。
海運出資者である商業組合によってスケープゴートにされかけたが、その前に商業組合に御隠居と遊び人と貧乏旗本の三男坊が吶喊して大変なことになった。
実は饗宴直前まで羊背肉の香草焼きや腿肉のロティで勝負するとばかり思っていたし、それなら問題に発展していなかった可能性が高いと後日知らされ真っ白に燃え尽きる。完成した佛跳牆が神様に没収された椿事により恩赦が決定。ふわもこコボルト族の等身大ぬいぐるみ(アレックス製作)に癒される。
<妖精種コボルト族>
わんわん。
毛玉。二足歩行の犬。攻撃よりも防御に力を入れているタイプの妖精。
人語を話すし知能も高い。
忠義の塊。働き者。意外と手先が器用で織物や染め物に錫の精錬加工までやってのける。アレックスの入れ知恵で板ガラスの製造にも成功している。
数代前の王族内紛時、追放された元王族の家臣として一族まるごと辺境に流れていった。元王族は血を残すことなく絶えてしまったが、墓守として残るであろう愛すべき忠臣のために様々な技術を伝えた。
各種芋類は品種改良まで施され、ものによっては地球産を凌駕する。
アレックスとは魔馬飼育時代からのお得意様であり友人。何匹かの雌コボルトが従魔になりたがっているが、魔馬の牽制が凄かったので言い出せない。元王族の面影をアレックスに見出しているようだ。後日エグザム・マリオン夫妻の移住に歓喜する。
<御隠居>
侯爵領でも評判の仕立て屋工房の先代。という設定。貴族に顔がきくのはそういう関係だから。という設定を無理に通すおじいちゃん。腕っぷしの強そうなイケメン執事が二名常に控えている。多分、年齢不詳でお風呂大好きな盗賊娘()とか玩具売りの行商人とかうっかりとか時代考証無視した連中もいる。三男坊様が叔父上とかよんでしまったりする間柄。
<遊び人>
黒豹系の獣人。自称ホスト。背中に入れ墨あるよ見るかいと時々迫ってくる。ドッグレース会場で幾度かアレックスと会っている。多分屋台飯とか一緒に食べている。アウトローっぽく振舞ってるけど所作がとても洗練されてるので、こいつ偉いところの人なんだろうなあと周囲の皆が気付いている。悪は許さない。王都の守り神みたいな振る舞い。北半分か南半分を担当。
<合成獣>
アレックスの頭の上を巣代わりにしている。雌。水浴びすると周囲の液体が上等なスープになってしまう。抜けた羽根や鱗が干鮑や干貝柱みたいな味がする。クッキング(されてしまう系)モンスター。
<佛跳牆>
様々な乾物(主に海産物)と様々な赤身肉と滋養のある鳥なんかを上等なスープと酒でじっくり炊いたり蒸したもの。直火調理派と壺ごと蒸し上げる派があるようだ。具材は様々で、定まってはいない。贅沢な乾物を贅沢なスープで堪能しましょうという頭悪い(誉め言葉)コンセプト料理。
アレックスは食べたことのあるファンタジー素材(主に魔物肉)を駆使した。肉ならともかくヒレとか浮袋とかの竜系素材がとんでもない効能を発揮しそうになったので、我慢できなくなった神様が没収した。没収時に出現した短冊について、ここまであからさまで見苦しい言い訳は見たことが無いと、後年に神殿関係者が口を揃えている。
<神様>
うまそうな料理の匂いがしたので次元の壁を乗り越えてやってきた。
思わず全部頂いた。これは人類にはまだ早い。
後でがっつり叱られた。
叱った人が「タダ飯、ダメ。カッコ悪い」と割とガチ怒りしたので、アレックスに新たな従魔を授ける方向でやらかした。合成獣だけどこれ実質神獣じゃんとか、叱った人は頭を抱えたようだ。
<芋羊羹>
コボルト族の集落で貰った甘藷を蒸して練って固めたもの。山吹色の菓子。
そのままでも美味いがバターで焼くと凶悪な香りを周囲に解き放つ。
王都衛兵局の曲者上司に試作品が土産という形で提供され、冒険者組合受付嬢らの襲撃を招く結果となった。
製造する度に二割くらい虚空に消える怪現象が起こるのでアレックスはレシピ提供を出し渋っている。怪現象の発生源は家付き妖精が主であるが、カツアゲ方式で様々な精霊や神々に渡っている。家付き妖精は泣いていい。
<惨劇となった饗宴で振舞われたもの>
●獣人が食べると命の危険があるもの
・ネギ類(無毒化品種を除く)
・アボカド
・葡萄
・チョコレート関係
・コーヒー(種族による)
●ヒトと獣人が食べてアウトだったもの
・鯉の唐墨(食中毒、寄生虫)
・潮のスフレ(食中毒)
・生レバー(食中毒、寄生虫、肝炎)
・巣蜜(毒草の蜜だった、ボツリヌス菌っぽいもの)
・牛フィレ肉のステーキロッシーニ風(体温で融けない脂肪分が胃や腸の中で固まって栓となった)
単に食材が傷んでいたとかそういうレベルではなく、複合的に食べた人間を死に至らしめる組み合わせと評価された。毒素材そのものよりも疑似的な腸閉塞を引き起こしたロッシーニ風ステーキが恐れられている。
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