第27話
「まず、毛皮を綺麗に残さねぇとダメだ。って事は、余計な傷は付けれねぇ。俺が切り付けたのは、ココ。首に一撃」
そうか!余計な傷を付けないために首に一撃で仕留めたんだ。
血抜きは首と後ろ足首を切って逆さに吊るす。
このアサルトラビットは、完全に首が落ちてるから吊るす前に後ろ足だけ切れば、血管に後ろ足から空気が入って自重で首の方から血が抜けるんだ。
何て理論的なんだ!
「・・・って感じだ!俺も昔、駆け出しの頃に先輩冒険者から聞いたんだぞ!まあ、何でか?は、知らねぇが」
・・・デズットが少しはできるヤツかも?って思ったけど、期待はずれ。
ってか、逆か?
期待通りにデズットは、色々足りてないだろ。
これ、たぶん星の数に影響があると思うんだが、間違いじゃ無いだろうな。
っと!そうだった、スキル、スキル!
デズットが作業するアサルトラビットにそっと触れてみる。
『アサルトラビットのスキルをストックしますか?』
やっぱり!
取敢えず『はい』っと『アサルトラビットの脚力スキルを保存しました』だって。
つまり、魔物を斃せば持っているスキルを【ストッカー】の保存できるって事が立証されたのだ。
こりゃあ俄然、ヤル気が出るな!
「良しっと!このまま少し待つぞ。その間休憩だ」
デズットの指示で休憩を取るんだが、それにも注意する事が多かった。
まず、複数人いるなら休憩は交代で取る事。
誰か一人は必ず立っている必要がある。
これは警戒を怠らないため。
座るにも、低木の近くに座らないとか、木を背にしないとか、地面に直に座らないとか色々。
低木の近くに座らないのは、毒持ちの蛇とかが低木の陰から襲ってくる事があるから。
木を背にしないのも、頭上から虫系の魔物とかが落ちてくる事があるから。
地面に直に座らないのも一緒、地下から這い出てくる可能性を考えてだった。
そんな事にも注意が必要なんだなと関心したよ。
血抜きの終了と同時に休憩も終わり。
また目的地に向けて歩き出す。
待っていたんだが、結局目的地まで魔物が出なかった。
「ここら辺が薬草の生えてる場所だ。俺が周囲の警戒をしとく、エドガーは薬草の採取をしてみろよ」
そう言ってくれた事だし、魔物が出なかった残念な気分を入れ替えて採取に挑戦だ。
今回採取する予定の薬草は二種類。
一つは今一番使っている回復薬用の薬草で、チーユって言うやつ。
もう一つは、もう一段階上の回復薬を作るために必要な薬草で、ナールってやつだ。
調べた限りでは、どちらもこの森にあると書いてあった。
さて何処かな?
メモした葉の形を確認しながら薬草を探す。
あっ!あった。
ナールだ!
こっちはチーユ。
どうやら見た感じ日当たりの良い所が好みのようだ。
そんな事は薬草辞典には書いてなかったな。
そんな条件が分かると見つけるのも速い。
結構集中して採取してたら、気付いた時には布袋二つずつがいっぱいになっていた。
目標にしてた量も集まったし、そろそろ帰るか?と思った時デズットが小さく声を出した。
「そのまましゃがんでいろ!」
えっ!何が起きたんだよっ!
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