第59話

「い、いやいや、足助さん…仕事がありますから忙しいですよね?」


「そんなの関係ないです!仕事じゃないときに探せばいいんですよ?」


なに言ってんだこいつ。


「でも足助さんの大親友はキレたんですよね?それでも藤原さんを手伝えるんですか?」


「先人にとっては妹だし。でも先人なんて、手が早いんですよ?自分はどうなんだよって話」


えー、それ、親友なの?そんなキツく言わなくていいのに。


「俺は、藤原さんに幸せになってほしいんです!どんな人がいいですか?」


「…え、強気で姉御肌で…」


「それって…美月さんの怖い奥さん?」


「怖いって言うな!」


「え…なんで知ってるんですか?」


「…あ!!」


思い出した。昔々、雪から聞いたけど、藤原さんが告白してきたんだって。あー!いらんことを!


「この話おしまい」


「雪さんには振られましたよ」


「え、え、藤原さん!言わなくていいですよ!」


「なにそれ。美月さんとライバルだったってこと?」


「もーー!違うってば。昔の話なんだから終わり!」


「へぇ、藤原さんってすごいMなんだ」


「ま、まじでやめなさい!失礼!」


「怒鳴られたいんですよね」


「へー」


「をい!もうやめろってば!藤原さんも足助さんに構わないで下さい」

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