第30話

「いただきまーす」


お弁当は、幕内弁当。社長も同じものである。結構たくさん入ってるけど、社長はばくばく食べてる。実くんも。


「おいしいね〜!たまにはお弁当でもいいねぇ」


「うん」


これ社長が注文してくれたけどね。


「足助さん、ところで身元保証人を誰にするか決めました?」


「なんでしたっけ?」


「身元を保証してくれる人ですよ。親戚とかでいいですけど」


「はるちゃんじゃだめですか?」


「だめですね」


「…で、では…私の親でもだめですか?」


「だめですね。さっき話に出た美容室のお父様は?」


えー!インタビューで聞かれてしまったのかな。…それで元気なくなってたのかも。


「そいつはだめですね〜。…うーん、友達は?」


「だめです。なるべく近い親族で」


「…そ!そうだ!まもるお兄ちゃんは?獣医さんです!」


そんな立派な方がいるの?


「獣医?」


社長も気になったみたい。


「どこの動物病院ですか?」


そこまで教えないといけないなんて。大変だなぁ。

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